2006 Fiscal Year Annual Research Report
金属ガラスの極微小化における力学特性評価とその寸法効果
Project/Area Number |
15074205
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
肥後 矢吉 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (30016802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 正人 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (30323752)
石山 千恵美 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00311663)
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Keywords | 金属ガラス / 微小引張試験片 / 材料特性評価 / 引張強度 / ナノ結晶分散 / 電解研磨 |
Research Abstract |
金属ガラスは、機械的特性が安定なアモルファス構造で異方性が無い上に、高降伏強度で耐食性に優れていることから、MEMSなどの超微小デバイスへの展開にきわめて適している材料である。本研究では、金属ガラスを極微小デバイス用構造材料へ適用する際に最も重要となる機械的性質と信頼性に対する材料評価法を開発することを目的としている。 本年度は、Zr基金属ガラス部材のミクロンサイズでの引張特性を評価する目的で、前年度開発した精密電解研磨装置を用いて、加工層の影響を無視できる電解研磨加工により作製した微小引張試験片で引張試験を行った。はじめに、精密電解研磨加工の最適条件を調べた結果、循環する過塩素酸と酢酸の混合研磨液中で、矩形電圧を印加して電解研磨を行うことによって、Zr基金属ガラスの丸棒試料から表面が平滑で金属光沢をもつミクロンサイズの微小引張試験片を作製することに成功した。そこで、この最適条件に基づいて精密電解研磨でアモルファス単相のZr基金属ガラスからゲージ部直径145μmのドックボーン型微小引張試験片を作製し、引張試験を行なった。その結果、脆性的な変形挙動を示し、引張強度1.64GPaが得られた。また、荷重変位曲線は、最大荷重到達後わずかに降伏挙動を示した。次に、機械的性質向上を目的にミクロンサイズの樹枝状晶を分散させた同組成の金属ガラスを用いて微小引張試験片(ゲージ部直径Φ69μm)で引張試験を行ったところ、延性が向上し加工効果現象が観察されたが、引張強度が0.6GPaに低下した。また、ナノ結晶を分散させた金属ガラス微小引張試験片(ゲージ部直径Φ121μm)では、引張強度は2.6GPaに上昇したが脆性的な破壊挙動を示した。 以上、アモルファス単相Zr基金属ガラス及び同組成の金属ガラスをマイクロ・ナノ結晶分散析出によって改質した試料を用いて精密電解研磨加工によりミクロンサイズ引張試験片を作製し、引張特性を評価した。
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Research Products
(5 results)