2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属ガラスのナノ組織化過程の小・中角散乱法による解明
Project/Area Number |
15074210
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥田 浩司 京都大学, 国際融合創造センター, 助教授 (50214060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 庄治郎 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (30111925)
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Keywords | 異常小角散乱 / 金属ガラス / 結晶化前駆構造 / ナノ組織 / 密度ゆらぎ / 濃度ゆらぎ |
Research Abstract |
バルクガラス金属のナノ組織化の初期段階についての知見を得るため、Zr K吸収端を利用した異常小角散乱測定をおこなった。Zr基CuAlNi含有材料の溶接材料に対する走査異常小角散乱実験において、前年度の実験により見つかった未結晶化領域でのクラスタリングのナノ組織化過程における位置付けを明確化することを目的として、熱履歴がより明確に定義できるリボン材およびバルク材の等温熱処理材料を対象とした異常小角散乱実験をおこなうと同時に、当初計画に沿って小角散乱と同時に高角領域と熱分析を同時におこなうための装置開発を進めた。 ZrのK吸収端において発見された微小クラスタ成分については極めて微弱なために本年度はその実験的な定量化のための測定手法の改良をすすめながら前年度の溶接材と今年度のIsothermal熱処理材料との比較検討をすすめた。その結果、強度を絶対値化したクラスター成分の解析より、明確なピーク成分が認められる場合にはその散乱振幅成分はおよそ密度変化量として1%程度以下のレベルであること、その見え方は製造時の熱履歴によって異なりそうだということが明らかになりつつある。従来、海外のアモルファス小角散乱の研究は結晶化を前提とした組成ゆらぎの解析にのみ興味が向けられており、このような由来が異なると考えられる微弱な小角散乱の系統的な結果が得られているのは初めてのことであると考えられる。
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Research Products
(2 results)