2004 Fiscal Year Annual Research Report
強ひずみ加工による表層ガラス化および大過冷却制御によるバルク化
Project/Area Number |
15074211
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻 伸泰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30263213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 秀幸 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60239762)
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Keywords | 強ひずみ加工 / メカニカルアロイング / 金属ガラス / 過飽和固溶体 / 過冷却融液 / 無容器プロセス / 核生成 / 結晶成長 |
Research Abstract |
Al-Cr合金に表層強ひずみ加工を施し、表層部のアモルファス化に成功した。また、Al-Cu合金に対しても同様の表層強ひずみ加工を施したところ、加工ままではアモルファスは生じず、ナノ結晶のみが作成されるが、原子レベルの組成混合は生じており、これを熱処理することによって、やはり表層部にアモルファスを形成することが可能であることが明らかとなった。両合金におけるアモルファス形成の難易は、各成分における金属間化合物の自由エネルギー曲線が持つ組成幅の違いにより説明できた。一方、純Cuと純Zrの積層体に対してARBプロセスによる強ひずみ加工を、相当ひずみ14まで行った。相当ひずみ14とは、初期厚さ260メートルの巨大な板を、厚さ1ミリメートルまで圧延することに相当する。その結果、強ひずみ加工によって原子レベルの組成混合が生じ、特にZr層側の界面近傍からアモルファス化が発現することが明らかとなった。こうした過程をさらに詳細に解明してゆくことにより、強ひずみ加工(メカニカルアロイング)による固相状態でのアモルファスかのメカニズムが明らかになるものと期待される。 金属ガラスを形成するZr系合金(Zr-Ni-Al、Zr-Cu-Al)における結晶相の核生成、成長の挙動を重畳磁場電磁浮遊法を用いて調べた。直流と交流を重畳させた磁場を用いることで、浮上液滴中の流動を抑制し、核生成温度だけではなく、比較的成長速度の遅い結晶相の成長を定量的に観察することができた。昨年度に、Zr-Ni-Al系における核生成の過冷度は最大でも200K程度であることを報告したが、250ppm以下の溶酸素濃度は核生成に影響しないことが明らかになった。この合金系における過冷度は、金属ガラスを形成しない多くの合金系と同程度であった。一方、結晶相の成長速度と過冷度の関係を求めたが、100K以上の過冷状態でも、成長速度は10^<-3>m/sのオーダであった。結晶相の成長は一般的な金属合金系に比べて、1/1000以上小さいことが明らかにした。
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Research Products
(7 results)