2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15074212
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
弘津 禎彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70016525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 学 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00264086)
平田 秋彦 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90350488)
松原 英一郎 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90173864)
市坪 哲 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40324826)
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Keywords | 金属ガラス / 構造解析 / 電子回折 / X線回折 / 動径分布解析 / その場観察 / 弾性挙動 |
Research Abstract |
平成17年度は、これまでの研究成果を踏まえ以下のような研究成果を挙げることができた。 (1)Fe系合金(FeNbB)の原子構造と熱安定性、ナノ結晶化機構の解明:放射光X線回折、電子回折による多面的な構造解析をFe_<70>Nb_<10>B_<20>、Fe_<84>Nb_7B_9などのFe系金属ガラスおよびアモルファスに適用し、精密なボロノイ解析により、Fe系では3角プリズム主体の構造であることを確認した。また、B組成の増加に従ってFe-B相関が強まり、局所構造としてのFe-B三角プリズム構造の割合が増加し、一方で、Fe組成の増加に従ってbcc-Feクラスターの割合が増加することが判明した。さらに、Fe-Nb, Fe-Fe, Fe-B距離、Nb, Fe, Bを配位構造からの考察により、Fe-Nb-B系では三角プリズムクラスターの相互連結にはNbが介在し、サイズ効果によりプリズムを歪ませ、スムーズな連結を阻害することによりアモルファス構造を安定化することを提案した。 C2)Zr系合金(ZrCu, ZrM, ZrNiAl〕の多面的構造解析に基づく構造モデル構築と構造安定性機構の解明:放射光X線回折、電子回折、A02班福永グループによる中性子回折を用いて、多面的に構造解析を展開し、Zr_<66.7>N_<33.3>,Zr_<66.7>Cu_<33.3>,Zr_<60>Ni_<25>Al_<15>構造について詳細に調べ、ガラス相安定化に寄与する局所構造がZr系では20面体クラスターが主体であることを見出した。また、構造安定化と共にこれら20面体クラスター構造の領域が増加することも明らかにした。 (3)超音波振動下でのPd系合金(PdNip, PdNiCuP)の金属ガラス近傍での構造緩和挙動、結晶化挙動の解析:超音波振動下でのガラス近傍での構造緩和挙動の定量解析と、誘起結晶化によって晶出する結晶の構造解析に基づいて、マクロ構造モデルを構築し、結晶化誘起のメカニズムと金属ガラスの構造安定性のメカニズム解明した。さらに、PdNiP金属ガラスについて、球面収差補正電顕による超高分解能観察を行い、(PdNiP)-fccクラスターとNiP化合物クラスターがアモルファス母相中に共存し、ナノスケールでの一種の相分離構造を形成し、局所的構造安定化(PdNiP金属ガラス相安定化)が起きていることを示した。
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Research Products
(16 results)