2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属ガラスの変形機構を考慮したマルチスケールモデリングの研究
Project/Area Number |
15074214
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澁谷 陽二 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (70206150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松中 大介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60403151)
竹内 章 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (40250815)
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Keywords | 金属ガラス / 分子動力学シミュレーション / 内部構造解析 / 変形の局所化 / せん断帯 / ボロノイ多面体 / 自由体積 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した3点の研究実施計画の項目に対応して,当該年度に実施した内容を記述する.まず,アモルファス金属の機械的特性評価の変形メカニズムの検討について,初期の自由体積に応じてヤング率といった弾性特性がほぼ決定されることを,一連の計算力学シミュレーションから明らかにした.そして,塑性変形挙動は,初期の自由体積に加えて,20面体を主とする内部局所構造の崩壊にともなう変形誘起の自由体積の存在を提案した.それら自由体積の局在化によりせん断帯の生じることを明らかにした.実際の材料では,多重のせん断帯が生じ,その干渉による分岐や停留が塑性変形能に大きく影響を与えることがわかっている.本研究では,多重せん断帯の創出する原子モデルを新たに提案し,その力学的な効果や熱的な特性評価を行つた.せん断帯内部では高温になるとともに,自由体積が著しく増大していることがわかつた.つぎに,結晶相を含む複合化の力学的特性を分子動力学シミュレ旨ションにより解析した.本研究で新たに提案した多重せん断帯原子モデルを適用することにより,結晶相がそのサイズではなく分散配置が一様な塑性変形の継続に強く影響を与えることを初めて明らかにした.これら一連の知見は,塑性変形能を向上させる複合化処理技術の向上に貢献した.そして最後に,種々の材料データベースを用いて多元系の緩和過程における内部構造の解析キデルを新たに提案し,比較的安定なクラスター構造がアモルファス構造の中距離秩序構造である可能性を示唆した.
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