2006 Fiscal Year Annual Research Report
金属ガラスのナノ結晶化のメカニズムの解明とその応用
Project/Area Number |
15074221
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
宝野 和博 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, フェロー (60229151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 忠勝 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, グループリーター (00242462)
大沼 正人 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ビームセンター, 主幹研究員 (90354208)
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Keywords | 金属ガラス / ナノ結晶 / ナノ組織 / 相分離 / アモルファス |
Research Abstract |
従来の研究で相分離が起こるとされていたZr_<41.2>Ti_<13.8>Cu_<12.5>Ni_<10>Be_<22.5>,Zr_<52.5>Cu_<17.9>Ni_<14.6>Al_<10>Ti_5,Zr_<36>,Ti_<24>Be_<40>金属ガラスはいずれも結晶化の前駆段階として相分離を起こさないことが本研究により実験的に明らかにされた。また相分離系金属ガラスと信じ至れていたZr_<35>Ti_<24>Be_<40>合金の過冷却液体領域に現れるガラス転位点T_<g2>が、実はガラス転位によるものではなく、ガラス中の短範囲規則構造の発展によるものであることを明らかにした。近年多くの金属ガラスで圧縮試験において数%の塑性変形を示す材料が見いだされ、元来脆い金属ガラスに塑性加工性を加えられる可能性がある1として注目されている。多くの塑性変形を示す金属ガラスは液体急冷中に初晶が成長したガラス・結晶複合組織であるが、近年見いだされている延性金属ガラスはTEM観察では単相アモルファスのように見える。このようにTEMレベルで不均一性が存在しないにもかかわらず延性を示す金属ガラスについて、力学特性と構造の因果関係の解明するために種々のZr基,Cu基金属ガラスのナノ組織をTEM/3DAPで解析し、圧縮試験における塑性歪みとの因果関係を解明した。これにより、同一合金組成であっても射出鋳造前の溶湯温度により大きく塑性変形能が変わること、単相金属ガラスに熱処理をした場合、自由体積が減少しない条件下では塑性歪みが改善されるが、自由体積が減少するような熱処理状態では著しく脆化することも分かった。さらに、A01班の辻と共同でARBやメカニカルミリングなどの強歪みプロセスを用いたアモルファス・ナノ結晶合金の創製とそのナノ組織評価を行い、強歪みにより非固溶系の合金が強制的に固溶されると混合熱が負の系でアモルファス化進行する過程をHREM,3DAP法により明らかにし、これを応用することによりバルク金属ガラス・結晶の複合板材を製造できる可能性があることを示した。
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Research Products
(11 results)