2004 Fiscal Year Annual Research Report
微小空間へ高効率電力注入を実現する回路技術とその応用
Project/Area Number |
15075203
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 彰三 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40016655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安岡 康一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00272675)
井深 真治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70262277)
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Keywords | マイクロプラズマ / 質量制限型 / 微粒子 / 液滴 / テイラーコー / 高速ガス流 / 大気圧グロー放電 |
Research Abstract |
電源の視点から、固体・液体・気体の三種類の物質を用いた質量制限型のマイクロプラズマについて大気中で高効率に生成する諸課題を検討し、以下の知見を得た。銅微粒子を用いた高密度プラズマの場合、気化するまでの相転移過程に対して、エネルギー効率は放電電流の立ち上がり速度に大きく影響される。パルス放電の構造を同軸形状にして小型化を図り従来のものから立ち上がり速度を一桁増加させたところ、注入されるエネルギーが8倍程度向上した。液滴は液体を初期状態とするマイクロプラズマ生成に有効であり、液滴が電極間に導入されると同時に放電が開始するので、スイッチ素子が不要なパルス電源により駆動できる。このため、残留インダクタンスの低減が可能となるので高速のパルス放電が実現できる。電源エネルギーを増加させると液滴は完全に気化・電離する。なお、臨界点付近では完全には気化せず超微粒子状の液体が存在する。一方、液滴の利用を微少量の液体を電極に供給する方法ととらえなおして検討した。このとき電界が加わった電極間に円錐状のTaylor coneが成長し、その先端部から霧状の液体やフィラメントが形成された。この微細構造は液体を用いるマイクロプラズマの新たな生成法として可能性がある。微細なHeガス流を用いた直流放電では電流が、定常的に流れる連続モードと間欠的に流れるパルスモードの二種類が観測された。特にパルスモードは電極付近の静電容量に蓄えられた電荷によるもので、パルス電源を使わずに駆動できるマイクロプラズマ独特の特性である。これを利用すると高効率なパルス放電が実現できる。また、放電特性は気体の種類、電源電圧、ガス流速、電極構造からそれぞれ影響を強く受ける。電流制限抵抗の低減あるいはパルス変調により、電力損失の低減を実現した。パルス変調では放電電力の広い範囲にわたる制御が可能であることを実証することができた。
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Research Products
(6 results)