2006 Fiscal Year Annual Research Report
微小空間へ高効率電力注入を実現する回路技術とその応用
Project/Area Number |
15075203
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 彰三 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (40016655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安岡 康一 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (00272675)
井深 真治 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (70262277)
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Keywords | マイクロプラズマ / 大気圧グロー / 電解質陰極 / 非線形伝送線路 / 微細ガス流 / 液体フィラメント / 超微粒子 |
Research Abstract |
物質の三種類の相である気体・液体・固体それぞれの状態から、マイクロプラズマを生成するための駆動電力とプラズマの特性の関係を体系的に調べた。特に今年度はプラズマの応用を考慮し、それに適したプラズマ生成を電源に注目して検討した。主な成果は以下の通りである。 1.パルス駆動の大気圧マイクロ・グロープラズマの生成: グロー放電の生成は陰極形状に大きく影響を受けるので、陰極形状に対応して加えるパルス電圧を制御して大気圧グロー放電を実現する指針を確立した。平板陰極では表面を平滑にすればアークに到ることなく、平均注入電力が20W以上でマイクロ・グロープラズマが実現できた。針や球陰極の場合では、非線形伝送線路を利用した回路で得られる高速パルス列電圧を加えれば生成可能である。 2.微細ガス流を用いた大気圧直流マイクロ・グロープラズマと荷電粒子流: プラズマ外部に流出する荷電粒子流は放電状態のモニターとして利用できる。陰極に設ける穴径の寸法により、コロナからグロー放電まで多様な放電形態が実現できる。 3.液体フィラメントを用いた大気圧直流マイクロ放電とその応用: 従来は表面張力が小さいエタノールを用いてきたが、さらに導電率、粘性率を調整してフィラメントの形成と放電に関与する関係を明らかにした。形成した液体フィラメントにコロナ放電が生じることを示したが、それら機構に関する解明は次年度の計画に持ち越した。 4.電解質溶液を陰極とする大気圧マイクロ・グロープラズマと分析技術への応用: 電解質溶液の濃度、流動、電流値がグロー放電の生成に影響を与えており、その放電維持電圧は金属陰極の場合に比較して高かった。微細Heガス流を加えると放電形態に与える影響が大きく、これを活用して、放電ならびにプラズマ組成の制御が可能であることを示した。 5.液体中のマイクロギャップ放電による固体の高速溶融現象とその応用: 水中で銅微粒子や銅電極の放電により銅の超微粒子が形成された。
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Research Products
(7 results)