2006 Fiscal Year Annual Research Report
光近接場によるマイクロプラズマ中励起種の表面近傍挙動のミクロ観察
Project/Area Number |
15075204
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
櫻井 彪 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (00092841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 裕和 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (10165574)
秋津 哲也 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (70159333)
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Keywords | バリアー放電 / レーザーエヴァネッセント波分光法 / レーザー偏光解析法 / 準安定励起原子 / 壁電荷・壁電位 / 大気圧空気放電 / 滅菌・殺菌 / 電場計測 |
Research Abstract |
本研究では、レーザーを使って「壁近傍のプラズマをマイクロスケールでみる」というプラズマミクロ観察技術を発展させ、新しいマイクロプラズマの創成と応用に利用することを目標とする。 1)プラズマ内の誘電体近傍の励起種密度の直接測定を目指して、光導波路型誘電体を用いたバリアー放電装置を製作した。この装置を真空チャンバー内に設置し、種々のガス圧力のArを用いて放電させ、Ar準安定励起原子に共鳴する半導体レーザーを光導波路に伝搬させ、吸収スペクトルを観察した。その吸収量から、誘電体近約24nm以内に存在する準安定励起原子密度が直接測定可能となった。さらにガス圧力依存性を調べた。この結果から壁に衝突する粒子束が見積れる。 2)電気光学結晶BSOを用いたレーザー偏光解析法て同一平面型バリアー放電の壁電位、壁電荷の時間・場所依存性を種々の放電条件で測定した。ギャップ間隔が0.1mmの場合の壁電荷密度は1.5mmの場合に比べて約1桁大きくなった。この結果を用いて誘電体表面上の電極間電位を求めると両者の値はほぼ等しくなった。このことは誘電体表面上絶縁破壊電圧が一定になるように帯電が進むと考えられる。低気圧の場合は陽極側で発光に縞が観測されるが、縞と帯電とのわずかな相関が観測された。 また、電気光学結晶LiNbO3を用いると、同じ方法によって横電場の時間・場所依存性が測定できることがわかった。1.5mmギャップの低気圧放電において壁電荷の過渡的進展の様子が明らかとなった。 3)大気圧空気での一様なプラズマ生成にはマイクロギャップバリアー放電が有効であることがわかった。その説明のために、上記2)などを適用して真の絶縁破壊電圧を求め、考察を行った。また、これらのプラズマを利用して滅菌や殺菌を行い、特色ある温度効果を明確にした。
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