2004 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質のフォールディング理論、立体構造予測、及び分子設計
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15076207
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高田 彰二 神戸大学, 理学部, 助教授 (60304086)
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Keywords | フラグメントアセンブリ / SimFold / デノボ / CASP |
Research Abstract |
水の中で蛋白質が自発的に立体構造を形成するフォールディング過程を、幾つかの観点から研究している。 60残基程度の小型蛋白質フォールディングの物理化学的シミュレーション(コアプロジェクト)へむけて、フラグメント組合せ法によるフォールディングエネルギーランドスケープの網羅的解析を行っている.物理化学的な相互作用だけで、βシートで出来ているsrc SH3 domainの場合、天然構造に近い構造が最安定構造として見出され、変性状態アンサンブルとの間に状態ギャップが見られる.計算から得られたフォールディングの遷移状態アンサンブルの構造的特長は、実験とよく一致した. シミュレーションによる蛋白質立体構造予測問題の解決へむけて、独自の粗視化エネルギー関数(SimFold)の改良、高速構造探索アルゴリズムの開発を行った。この両方の寄与によって、proteinG程度の長さ、および簡単な構造をもつ蛋白質については、フラグメントで表現される離散的構造空間内において、天然フォールドをもつ構造のエネルギーが最安定になり、かつランダム構造から始めて比較的短時間で天然フォールドが見出せるようになった。 蛋白質立体構造予測コンテストCASPの第6回に参戦した.シミュレーションによる構造予測を行うNF部門において、200チーム以上が参加するなか、我々のグループROKKOは、評価者によって"エリートクラブ"(トップ12グループ)と評価された。またサーバーROKKYは同部門でサーバー2位の成績であった。世界の中で,本研究の方法はトップレベルであることが確認できた。 天然のアミノ酸配列情報を一切使わないで、完全に理論的に人工蛋白質をデザインする手法の確立へむけて、全く新たなデザインプログラムを作成中である.全原子力場を使用して配列とその側鎖構造をモンテカルロ法によって探索するプログラムを完成させた。現在テストを行っている段階である。
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Research Products
(3 results)