2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15076213
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
岡本 祐幸 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (70185487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 久士 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80360337)
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Keywords | 蛋白質 / 折り畳み / 分子シミュレーション / 立体構造予測 / 拡張アンサンブル法 / マルチカノニカル法 / モンテカルロ法 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
まず、2000年に我々が開発した新しい拡張アンサンブル法を(TIP3Pなどの水分子をあらわに取り入れた)アミノ酸数が十数個の小ペプチド系に適用することによって、広く使われているAMBER、CHARMM、OPLS、GROMOSなどの標準的なエネルギー関数(力場)が蛋白質の立体構造予測が可能な程の精度を持つか否かを調べた。我々の結論は既存のどの力場も完壁なものはないというものであった。そこで、我々は独自の力場パラメターの提案を我が国から初めておこなった。我々は更にタンパク質の折り畳みの遷移状態を詳しく調べることができる新しい拡張アンサンブル法を開発した。拡張アンサンブル法では、平均値は求められるが、分子動力学の情報は失われる。よって、我々は、モードカプリング理論と拡張アンサンブル法を組み合わせた、新しい分子動力学の研究手法も提案した。また、我々は独自に開発した拡張アンサンブル法である、レプリカ交換アンブレラサンプリング法をDNAの塩基スタッキングの自由エネルギー計算に適用し、実験と一致する結果を得た。このレプリカ交換アンブレラサンプリング法はタンパク質の折り畳み問題の研究に有効である。更には、拡張アンサンブル法による膜タンパク質の立体構造予測法の提案も行った。最後に、これまで我々が扱ってきた拡張アンサンブル法がカノニカルアンサンブル(定積定温アンサンブル)を元にした手法であるのに対し、マルチカノニカル法を定圧低温アンサンブルに拡張し、唯1回のシミュレーションの結果から、任意の圧力及び温度における定圧定温アンサンブル平均が得られる、新しい拡張アンサンブル法(マルチバーリック・マルチサーマル法)を開発した。この手法はタンパク質の高圧変性の研究に応用できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] G.LaPenna, A.Mitsutake, M.Masuya, Y.Okamoto: "Molecular dynamics of C-peptide of ribonuclease A studied by replica-exchange Monte Carlo method and diffusion theory."Chemical Physics Letters. 380. 609-619 (2003)
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[Publications] B.A.Berg, H.Nogichi, Y.Okamoto: "Multi-Overlap Simulations for Transitions between Reference Configurations."Physical Review E. 68. 036126 (2003)
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[Publications] Y.Sakae, Y.Okamoto: "Optimization of protein force-field parameters with the Protein Data Bank"Chemical Physics Letters. 382. 626-636 (2003)
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[Publications] H.Okumura, Y.Okamoto: "Monte Carlo simulations in multibaric-multithermal ensemble."Chemical Physics Letters. 383. 391-396 (2004)
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[Publications] H.Kokubo, Y.Okamoto: "Prediction of transmembrane helix configurations by replica-exchange simulations."Chemical Physics Letters. 383. 397-402 (2004)
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[Publications] K.Murata, Y.Sugita, Y.Okamoto: "Free energy calculations for DNA base stacking by replica-exchange umbrella sampling."Chemical Physics Letters. 385. 1-7 (2004)