2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15076213
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
岡本 祐幸 分子科学研究所, 理論分子科学研究系, 助教授 (70185487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 久志 分子科学研究所, 理論分子科学研究系, 助手 (80360337)
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Keywords | タンパク質の折り畳み / 計算機シミュレーション / 拡張アンサンブル法 / マルチカノニカル法 / レプリカ交換法 / 膜タンパク質 / 分子動力学法 / モンテカルロ法 |
Research Abstract |
本年度の主な成果は以下のとおりである。まず、レプリカ交換法と焼き戻し法の利点を合体する拡張アンサンブル法として、焼き戻しレプリカ交換法を開発した。本年我々は、レプリカ交換法とRISM理論を合体した、蛋白質の折り畳みのための新手法を提案した。本年度も、レプリカ交換マルチカノニカル法とマルチカノニカルレプリカ交換法を厳密な溶媒効果を取り入れた(TIP3Pの水分子をあらわに取り入れた)アミノ酸数十数個の小ペプチド系に適用することによって、広く使われているAMBER、CHARMM、OPLS、GROMOSなどの標準的なエネルギー関数(力場)が蛋白質の立体構造予測が可能な程の精度を持つか否かを調べた。そして、完璧な力場が存在しないと結論した。昨年、我々は最適な力場パラメターを独自に開発することにして、新しいエネルギーパラメターの最適化法を提案し、AMBER94の結果を報告したが、本年度は、新たにAMBER96,AMBER99,CHARMM22,OPLS-AAにもこれらの最適化を適用し、皆それぞれ改善が見られることを示した。昨年提案したレプリカ交換モンテカルロ法に基づく、膜タンパク質の立体構造予測法を2本のヘリックスからならglycophorin Aおよび7本のヘリックスからなるbacteriorhodopsinに適用して、有望な結果を得た。最後に、昨年、定圧定温アンサンブル(isobaric-isothermal ensemble)のマルチカノニカル法版としてマルチバーリック・マルチサーマル法(MUBATH)を開発したが、本年度はこの方法の分子動力学法版を新たに開発した。更に、モンテカルロ法版をレナード・ジョーンズ流体系の気液相転移の研究に適用した。
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Research Products
(19 results)