2004 Fiscal Year Annual Research Report
最高エネルギー粒子放射源の同定による粒子線天文学の確立
Project/Area Number |
15077201
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 滋 千葉大学, 理学部, 助教授 (00272518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 秀幸 千葉大学, 理学部, 助教授 (60214590)
草刈 英榮 千葉大学, 教育学部, 教授 (00092049)
内堀 幸夫 千葉大学, 放射線医学総合研究所, 研究員 (50342879)
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Keywords | 宇宙線 / 高エネルギー / 宇宙 |
Research Abstract |
平成16年度は、アメリカ・ユタ州現地に20台の検出器アレイを設置し、データ収集システム・通信システムの動作確認、安定性の試験を行った。Engineering Arrayとして機能する、この装置は、Telescope Arrayプロジェクトの地表検出器系の1/30スケールに相当し、平成17年度より本格化する検出器建設に向けて、技術開発・実証を行うものである。検出器回路系は、ほぼ最終版に近いものを搭載し、無線LANによる検出器データの送受信が安定的に動作していることを確認した。バッテリー電源、ソーラーパネルについては機種選定試験も兼ねて、2社の製品を基にしたシステムを開発、運用し、両者の間に性能の差は無いことが分かった。 検出器信号読み出し回路系は、この20台からなる小型アレイの結果、その性能が実証されたため、全600台分の大量製作に入った。重要な回路素子であるFADCチップ、及びFPGA素子を始め、主な部品調達を終え、来年度に予定されている基板製作・実装に備えている。 検出器間の同期信号を取る基となるGPSシステムは、性能評価・機種選定を終えた。10ナノ秒の精度で同期が取れることを実証し、全600台分のシステムを購入した。 地表検出器に使用される光電子増倍管の較正システム開発も行い、一日2本のペースでゲイン、ノイズ、ダイナミックレンジの測定を行っている。これらのデータは、増倍管の質管理、及び実際のデータ解析において使用される。 データ解析の基本となる、シミュレーション・解析ソフトウエアの開発にも着手し、Java言語を用いたシミュレーションライブラリーの構築を行った。検出器系のシミュレーターは未完成であるが、データクラスの開発、全体を統合するフレームワークを完成した。来年度にはシミュレーションイベントの大量生成に入れる見込みである。
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