2008 Fiscal Year Annual Research Report
最高エネルギー粒子放射源の同定による粒子線天文学の確立
Project/Area Number |
15077201
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 滋 Chiba University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00272518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 秀幸 千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60214590)
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Keywords | 宇宙線 / 高エネルギー / 宇宙 |
Research Abstract |
テレスコープアレイ実験は、本研究課題が責任を持つ全507台の地表検出器アレイ装置の建設完了とともに観測データ取得に入った。データ収集系の問題点であった無線通信の安定性は、アンテナの高さと向きを各検出器毎に微調整することで大幅な改善をみた。現在10^<19>eV以上の宇宙線由来空気シャワーを定常的に観測中である。到来方向を決定する解析手法をシミュレーションデータとの比較検討による最適化して、角度分解能を改善する作業が進行した。シミュレーションと完全に一致しないデータ特性も得られており、データフィルターの導入を視野にいれた解析アルゴリズムの開発を行なっている。現段階における予備的解析結果では、超高エネルギー宇宙線到来方向に関して有意な異方性は観測されず、放射点源も見つかっていない。現時点での観測宇宙線事象の統計数が10^<19>eV以上で約150例ほどであり、今後のデータ蓄積によって感度は大幅に改善されることは確実である。 本計画研究で実現した最高エネルギー宇宙線観測装置は、前世代実験の明野空気シャワーアレイと比較して5倍以上の面積を有し、北半球で最大規模の装置となった。初期性能は計画想定時の基準をクリアしており、観測データの蓄積によって今後3年以内に放射源を具体的に同定できる見込みがたっている。鍵となる角度決定精度の信頼性は大気蛍光望遠鏡との同時観測事象によって独立に検証し、必要な最適化を実施する。
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Research Products
(2 results)