2006 Fiscal Year Annual Research Report
Super-GZK問題の解決と最高エネルギー宇宙線の化学組成測定
Project/Area Number |
15077203
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
垣本 史雄 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (00092544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常定 芳基 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (50401526)
門多 顕司 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (00339532)
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Keywords | 宇宙線 / 起源 / GZKカットオフ / 化学組成 / 縦方向発達 / 空気シンチレーション光 / エネルギースペクトル / 活動的天体 |
Research Abstract |
本研究計画では、大気蛍光望遠鏡の心臓部である撮像カメラを制作し、超高エネルギー宇宙線のエネルギー決定精度の向上および一次宇宙線の化学組成を解明する。そのために,空気シャワーに伴って放射される空気チェレンコフ光を測定するための撮像カメラの製作,設置を行っている.製作する台数は,全部で24台であり,それに付随する測定系回路を含め本年度までにすべて製作を完了した.昨年度はこのうちの2台を観測場所である米国ユタ州に輸送し,テスト観測を行い,実際の宇宙線シャワーからの空気シンチレーション光の観測に成功し,当初の予定通りの性能を有していることを確認するとともに,測定回路系の調整を行った.このため,平成18年に多米田(研究協力者,東工大D1)と村野(研究協力者,東工大M2)を現地に派遣し,現地研究協力者であるユタ大学底留守キー教授等と協力して装置の建設ならびに基礎データの取得を行った. また,テスト実験で取得したデータの解析は,データを日本に郵送し,垣本,常定,門多がおこなった.同時に,以上3名と町田(研究協力者,東工大M1)はシミュレーション計算を行うとともに,基礎データを取り入れたデータ解析ソフトウェアの開発を行った.これにより,観測装置の特性をシミュレーション計算により確認し,観測実験で最も重要なパラメータの1つである,有効観測面積の算出を行った.以上の経過は,年2回開催される日本物理学会にて口頭発表を行った.また,平成19年度に開催される国際宇宙線会議でも発表予定である.
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