Research Abstract |
製作完了している大気蛍光望遠鏡カメラを米国ユタ州に輸送し,特にロングリッジ・ステーションへの最終設置をおこなった。すでに,ブラックロックメサ・ステーションへの望遠鏡カメラの設置は,昨年度に終了しており,以上でほぼ予定通りに観測装置を完成させた.設置終了後,各検出器の性能テスト,基礎データの取得を行い,予備観測を経て,6月より本観測を行った.また,これと平行して,データ収集系のハードウェアとソフトウェアの不具合を調整した.これに関しては,トリガー条件の最適化を含めて,観測を行いながら調整をしていく必要がある.本実験で得られたデータは直ちに日本に移送し,解析を行った.その結果,本研究目的である空気シャワー事象が確実に記録されていることを確認した.また,観測データのデータベース化システムの構築,および,観測データから一次宇宙線のエネルギー,到来方向を決定する解析ソフトウェアの開発を行った.この開発は次年度も引き続き続行する必要があるが,2以上のステーションで同時に観測できた事象に対する解析が可能になった.一方,これらの有用なデータにたいして,観測場所上空を飛行機が通過した際の発光に伴うノイズ事象や宇宙線ミュー粒子による事象な,どが装置を高頻度でトリガーしており,これらの軽減が重要課題となっている.なお,以上の成果は,年2回開催された日本物理学会,ならびに,7月に開催された国際宇宙線会議にて公表した。
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