2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15078201
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
斉藤 隆 独立行政法人理化学研究所, 免疫シグナル研究グループ, グループディレクター (50205655)
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Keywords | 免疫シナプス / lipid raft / CTLA-4 / 制御性T細胞 / 免疫寛容 / キラーT細胞 / 細胞分裂 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
免疫監視において,T細胞は最初に情報獲得し細胞内に認識情報を伝達、細胞応答の方向を決定する。1.多くのシグナル分子が存在するlipid raftと免疫シナプスの関係を解明するため2つのアプローチを取った。Raft局在のLATの細胞内ドメインをGFPに変換したLAT-GFPを発現するTgマウスを作製し、正常細胞でのlipid raftの動態を解析した。LAT-GFPは殆どのリンパ球で発現し、RAFT分画に存在した。T細胞活性化によって免疫シナプスに一部集積するが、GM1の集積とは量的に異なり、LIPID RAFTの多様性及び活性化には全体の凝集は不可欠ではないことを示唆した。一方、T細胞の活性化段階によりlipid raftのシナプスへの集積が変化し、初期活性化T細胞で最も強いことが判明した。その機序を知るために、TCR-Tgマウス由来のT細胞にRac, Cdc2,Rhoのdominant negative分子を導入してシナプスへのraft凝集を調べた結果、lipid raftの凝集へのRhoの関与が示唆された。2.免疫寛容の維持に重要な役割を担う制御性T細胞の抑制活性へのCTLA-4の関与が示唆された。CTLA-4-Tgマウス及びCTLA-4欠損マウスのT細胞の解析から、抑制活性にCTLA-4は関与せず、末梢での制御性細胞のホメオスタシスに重要と考えられる。3.免疫監視に不可欠なキラー細胞のエフェクター機能発現は、CTL前駆細胞が多量に存在する場合、細胞分裂なくエフェクター細胞への分化が示唆された。抗原を多くすれば分裂が誘導されることから、CTL前駆細胞と抗原との量比によりCTLの分裂の必要性が決定されると考えられる。In vivoでのキラー活性を測定するin vivo killingのシステムを用いることにより、in vivoでもCTLは分裂なしでキラー活性を発現することが判明した。
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Research Products
(17 results)