2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15078202
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
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Keywords | BCL6 / AP-1 / STAT3 / 体細胞突然変異 / ADAR1 / 胚中心B細胞 / クラススイッチ / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
成熟B細胞が記憶B細胞へ分化する場が脾臓やリンパ節内の胚中心であることが明らかにされた。胚中心では、抗原刺激により活性化された成熟B細胞が細胞増殖を繰り返し、抗原レセプター遺伝子において高率に体細胞突然変異をおこして、抗原親和性がより高いB細胞クローンが選択的に増殖する。さらに胚中心B細胞はIgクラススイッチを起こして、記憶B細胞へ分化する。これまでに申請者は、胚中心B細胞で強発現のみられるBCL6が胚中心を介した記憶B細胞分化に必須であることを明らかにしている。そこで、BCL6の分子標的などを明らかにすることにより、記憶B細胞の分化と維持の分子機構をコントロールするシステムを開発しようとした。 その結果、 1)BCL6を脾臓B細胞で強発現するTg(Lckd-BCL6)マウスを確立し、BCL6が胚中心B細胞や長期生存プラズマ(Long-lived Plasma)細胞の維持に重要であることを明らかにした。 2)BCL6欠損マウスのIg遺伝子のクラススイッチ領域における体細胞突然変異を解析した結果、AからGへの突然変異が多発していた。 3)この体細胞突然変異は、ADAR1の過剰発現により誘導されることや、ADAR1がBCL6の標的遺伝子のひとつであることを明らかにした。 4)BCL6遺伝子のプロモーター領域を解析した結果、AP-1とSTAT3が重要な転写因子であることを明らかにした。 上記の結果から、成熟B細胞が抗原刺激を受けた後に、AP-1とSTAT3を介してBCL6の強発現を誘導して、胚中心B細胞へと分化して、そのB細胞の生存や維持に必須であることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)