2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15078202
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20134364)
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Keywords | アレルギー・喘息 / 遺伝子 / 感染症 / 発現制御 / 免疫学 |
Research Abstract |
胚中心B細胞が高親和性の記憶B細胞やプラズマ細胞へ分化する過程において、BCL6などの転写因子が重要であることが明らかにされている。そこで本研究は、胚中心B細胞におけるBCL6の分子標的などを明らかにすることにより、記憶B細胞の分化と維持の分子機構をコントロールするシステムを開発することを目的とした。 本年度は、マウスにおけるBCL6遺伝子のプロモーター領域を解析した。その結果、成熟B細胞においてBCL6の発現誘導にAP-1が重要な転写因子であることを見出している。さらに、このプロモーター領域の3カ所にBCL6の結合配列を見出し、この部分がサイレンサーとして機能していることを明らかにした。胚中心B細胞においては、このサイレンサー領域にSTAT3がBCL6と競合して結合することによりBCL6の強発現を誘導していることが示唆された。以上の結果から、胚中心B細胞におけるBCL6の強発現にはAP-1とSTAT3が最も重要な正の転写因子であることを明らかにした。 次ぎに胚中心B細胞においてAP-1の誘導とSTAT3の活性化を同時に行う刺激物質を探索した。その結果、IL-21の刺激が活性化B細胞においてAP-1とSTAT3の活性化を伴うBCL6の強発現を誘導することを明らかにした。すでにIL-21は、Follicular helper T cell(Thf)から出されることが明らかにされているので、このThfから放出されたIL-21の刺激により胚中心B細胞内に誘導されたBCL6は、Blimp-1の発現抑制を介して胚中心B細胞のプラズマ細胞への分化を抑制していることが示唆された。このような研究成果は、胚中心B細胞におけるBCL6の発現を薬剤等により制御できる道を拓くものであり、ワクチン療法の改良に向けての新展開が期待される。
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Research Products
(6 results)