2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15078204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
湊 長博 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40137716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 雅一 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (40211479)
田中 義正 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (90280700)
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Keywords | Rap1 / SPA-1 / 自己免疫病 / 白血病 / 自己抗体 / 造血幹細胞 / ループス腎炎 / レセプター編集 |
Research Abstract |
すでにSPA-1遺伝子破壊マウスが骨髄幹細胞異常の結果として慢性骨髄性白血病(CML)を発症することを報告してきたが、一部はさらにB1細胞に由来すると考えられるヒト慢性リンパ性白血病(CLL)に酷似する病態を発症することを明らかにした。同マウスでは、白血病発症に先行しほぼ全例に腹腔内B1細胞の加齢に伴う増加と抗DNA,抗核抗体の出現、および免疫複合体沈着による糸球体腎炎が認められ、典型的なループス様自己免疫病の発症が確認された。自己抗体の出現は骨髄未熟B細胞におけるRap1の活性化とそれによるp38MAPK/Creb経路を介したOcaB遺伝子の過剰発現によるIgκ遺伝子レパートリーの変容、およびその結果生じた自己反応性B細胞のIgκ遺伝子の編集不全によることが明らかとなった。B細胞レセプター編集に失敗した自己反応性B細胞は、選択的にB1細胞として腹腔へと集積される。これら自己反応性B1細胞は、しかし構成的自己抗原により恒常的に刺激を受け、最終的にはクラススイッチのより病原性IgG自己抗体を産生しループス様自己免疫病にいたる。さらに一部のマウスでは、自己抗体を伴うB1 CLLに至ると考えられた。自己抗体を伴うCLLは、ヒトB-CLL病態のhallmarkであり、恒常的抗原刺激によりB細胞白血病化モデルを示唆するものである。SPA-1KOマウスにおけるT細胞機能不全が、B細胞白血病化にいかなる関与を有するかは今後の大きい問題であるが、自然発ガン細胞に対する免疫監視機構解析のための極めて有用なモデルとなりうると考えられる
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Research Products
(6 results)