2005 Fiscal Year Annual Research Report
生殖系列とクローン発生のゲノムDNAメチル化プログラム
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15080202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩田 邦郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80196352)
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Keywords | DNAメチル化 / Dnmt / CpGアイランド / 精子 / 卵子 / 栄養膜細胞 |
Research Abstract |
本研究では、1)生殖細胞特異的なメチル化・非メチル化ゲノム領域の決定、2)性腺と生殖細胞系列の分化に伴うそれら領域のDNAメチル化制御機構の解析、および、3)1の生殖細胞特有の領域や個体発生に重要なメチル化・非メチル化領域のDNAメチル化制御の正常胚-クローン胚間の比較などから、生殖細胞を経由した正常発生と体細胞核移植によるクローン発生の、DNAメチル化プログラムによるエピジェネティック制御を明らかにすることを目的とする。本年度は、精巣状態精子において非メチル化状態にあるAnt4遺伝子およびSpesp1遺伝子上流域のメチル化状態を昨年度に継続して解析した。おもしろいことに、これらの遺伝子座が持つCpGアイランドは、肝臓や腎臓などではその全域が高度にメチル化されていた。これは、CpGアイランドはメチル化されない、あるいは、メチル化される場合でも一部分のCpGのみであるという従来の知見と大きく異なる。本年度はまた、初期胚発生過程で各ステージ特異的なDNAメチル化パターンを形成しているDnmt1遺伝子座調節領域(昨年度論文)の、成熟過程にある雌雄生殖細胞におけるDNAメチル化パターンを解析した。精粗細胞と卵母細胞は同じメチル化パターンを示し、雌性生殖細胞においては、二次卵胞卵からMII期卵子への成熟過程で大きなパターンの変化が起こることが明らかになった。一方、雄性生殖細胞では、領域特異的な脱メチル化とメチル化を繰り返しながら、パターンが変動していた。本年度はさらに、栄養膜細胞の分化に伴って発現が誘導されるDdah2遺伝子の、未分化栄養膜細胞における発現抑制にDNAメチル化が重要であることを明らかにし、報告した。
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Research Products
(6 results)