2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15080206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仲野 徹 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00172370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 透 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50280962)
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Keywords | 生殖細胞 / 細胞文化 / 幹細胞 / シグナル伝達 / 遺伝子操作 |
Research Abstract |
Piwi遺伝子は、ショウジョウバエの生殖幹細胞の維持に必須な遺伝子として単離された遺伝子である。その後の解析により、PiwiファミリーのメンバーはRNA干渉(RNA interference、RNAi)のコンポーネントとして機能することが明らかになりつつある。また、RNAiの一つとして.ヘテロクロマチン化やDNAのメチル化を通じて遺伝子発現を抑制するTGS(transcriptional gene silencing)と呼ばれる現象が知られている。しかし、哺乳類においては、どのような機構でTGSがおこなわれているかは不明のまま残されている。 我々は、マウスのPiwiファミリー遺伝子の一つであるMni遺伝子を欠損するマウスの精巣において、IAPとLine-1という二つのレトロトランスポゾンの発現が上昇していることを見いだした。さらに、このレトロトランスポゾンの発現上昇は、その制御領域のメチル化が低下していることによって生じていることを明らかにした。また、Miliと結合し,MILIと同様に精子形成に必須な遺伝子であるMVH(mouse vasa homologue)を欠損するマウスでも,同様にレトロトランスポゾンの発現上昇が認められた。 もう一つのマウスPiwiファミリー遺伝子であるMisti(miwi-2)を欠損するマウスでは、Mni欠損マウスと同様に精子形成の異常が認められた。Misti欠損マウスの精巣において、IAPの発現上昇は認められなかったが、Line-1の発現上昇が認められ,Line-1遺伝子のプロモーター領域におけるメチル化の低下も認められた。 以上のことから、マウスPiwiファミリー遺伝子であるMiliとMistiは、DNAのメチル化によりレトロトランスポゾンの発現を抑制していることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)