2007 Fiscal Year Annual Research Report
核の初期化促進方法の確立およびクローン胚から作成したntES細胞の正常性の検討
Project/Area Number |
15080211
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
若山 照彦 The Institute of Physical and Chemical Research, ゲノム・リプログラミング研究チーム, チームリーダー (40360672)
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Keywords | 応用動物 / 再生医学 / 獣医学 / 畜産学 / 発生・分化 |
Research Abstract |
我々はクローン動物および体細胞由来ntES細胞を効率よく作出する方法の開発および初期化のメカニズムの解明を試みている。昨年我々はntES細胞と受精卵由来のES細胞には違いが見られないことを証明したが、19年度はさらに詳しい比較と倫理問題の解決を試みた。我々は核移植の影響を調べるために、単為発生ES細胞を用いた遺伝子発現解析法を確立し、これによってついに我々は特定の遺伝子におけるメチル化状態について、ntES細胞とES細胞の間に違いがあることを発見した。現在このntES細胞特異的なDNAメチル化状態の違いが、その後の細胞分化や応用にどのような影響を与えるのか解析中である(Hikichi, et. al., 2007,2008)。一方倫理問題の解決については2つのアプローチを試みた。体外受精に失敗した卵子は、加齢により質が低下することから廃棄されている。この廃棄卵子を用いれば健康な女性から卵子を提供してもらうという倫理問題は解決する。そこでマウスを用いたモデル実験を行った結果、体外受精に失敗した卵子でも核移植およびntES細胞の作成には問題ないことを明らかにした(Wakayama, et. al., 2007a)。この成果は多数の全国紙やテレビで紹介された。また、胚を殺さずに1割球(細胞)を取り出し、そこからES細胞を樹立する手法を開発し、生命の萌芽である胚を壊すという問題についても回避できることを明らかにした(Wakayama, et. al., 2007b)。他に核移植技術をより簡素化した手法についての研究も報告した(Kishigami, et. al., 2007;Wakayama, et. al., 2008)。
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Research Products
(23 results)