2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15081204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 信行 京都大学, 薬学研究科, 教授 (10110610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 守周 京都大学, 薬学研究科, 助手 (00322165)
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Keywords | FGF / 脂肪細胞 / 細胞分化 / 組織形成 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
FGFは様々な組織形成に重要な役割を果している細胞間シグナル分子である。FGF10欠損マウスは出生直前に死亡するが、胎児の白色脂肪組織が脂肪滴の蓄積と細胞数の減少など著しい形成不全を示し、FGF10が白色脂肪組織形成に重要な役割を果たしていることが明らかになった。また、我々はマウス胎児の脂肪組織がin vivoの脂肪細胞分化モデルとして有用であることを見出した。従って、我々は野生型およびFGF10欠損マウス胎児の脂肪組織を調べ、FGF10が前駆脂肪細胞の増殖と分化に重要な役割を果たしていることを明らかにした。一方、脂肪細胞分化モデルとして3T3-L1細胞を用いて、in vitroでの脂肪細胞分化メカニズムは詳しく解明されている。しかし、in vivoでの脂肪細胞分化メカニズムは解明されていなかった。我々はFGF10の脂肪組織における役割を解明する研究の過程で、in vivoにおける脂肪細胞の分化メカニズムはこれまでのin vitroの研究から提唱された分化モデルとはかなり異なっていることを明らかにした。また。我々はFGF10がマウスの成体においても白色脂肪組織に特異的に高発現することも明らかにした。従って、FGF10は胎生期のみならず、出生後の白色脂肪組織形成過程にも重要な役割を果していることが期待される。従って、我々は出生後の白色脂肪組織形成過程におけるFGF-10の役割も解明を試みるため、脂肪組織特異的FGF-10受容体欠損マウスを作成した。脂肪組織特異的FGF-10受容体欠損マウスの胎児の脂肪組織においてその形成不全が観察され、このモデルマウスを用いれば、時期特異的に脂肪組織を形成不全にできることが明らかになった。今後はこのモデルマウスを用いて、出生後の脂肪組織形成におけるFGF10の役割を詳しく解析していく。また、我々はよりin vivoに近い、in vitroのモデルである脂肪組織の器官培養にも成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] F.Asaki et al.: "Roles of fibroblast growth factor 10 (Fgf10) in adipogenesis in vivo"Mol.Cell.Endocrinol. (印刷中). (2004)
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[Publications] M.Affolter et al.: "Tube or not tube remodelling epithelial tissues by branching morphogenesis"Dev.Cell. 4. 11-18 (2003)
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[Publications] N.Kusu et al.: "Sclerostin is a novel secreted osteoblast-derived bone morhogenetic protein (BP) antagonist"J.Biol.Chem.. 278. 24113-24117 (2003)
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[Publications] R.C.Burns et al.: "Requirement for fibroblast growth factor 10 or fibroblast growth factor receptor 2-IIIb signaling"Dev.Biol. 265. 61-74 (2003)
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[Publications] N.Itoh: "Encyclopaedia of Endocrine Diseases"Fibroblast growth factor (FGF)(印刷中). (2003)