2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15081204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 信行 Kyoto University, 薬学研究科, 教授 (10110610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 守周 京都大学, 薬学研究科, 助教 (00322165)
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Keywords | 繊維芽細胞増殖因子 / 白色脂肪組繊 / 組繊形成 / 分化 / 細胞増殖 / 肥満症 |
Research Abstract |
本研究では、多くの組織形成に重要な役割を果す分泌因子、繊維芽細胞増殖因子FGFに着目し、脂肪組織形成の分子メカニズムを明らかにした。 白色脂肪組織の形成において、成熟脂肪細胞の肥大化過程は重要である。これまでに、脂肪細胞特異的FGF受容体2遺伝子欠損マウスの解析により、FGF受容体2が腸間膜白色脂肪組織において成熟脂肪細胞の肥大化に関与することが明らかとなっていた。そこで、本年度では、そのリガンドの候補の同定を試み、その結果、FGF受容体2と結合しうるFGFリガンドのうち、FGF9が、腸間膜白色脂肪組織の間質血管細胞において特異的に発現することを見出した。従って、FGF9はFGF受容体2のリガンドとして、成熟脂肪細胞の肥大化に関わることが期待された。また脂肪組織は生体のエネルギー代謝を調節する事から、脂肪細胞特異的FGF受容体2遺伝子欠損マウスを用い、FGF受容体2とエネルギー代謝の関係を検討し、脂肪細胞のFGF受容体2が血中の遊離脂肪酸濃度を調節することを明らかにした。 また、薬理作用として抗肥満、糖代謝改善作用が報告されたFGF21について、その生理的意義の検討を試みた。FGF21遺伝子欠損マウスを作製し通常食下で飼育したところ、白色脂肪組織の増加傾向が観察された。さらに血漿遊離脂肪酸濃度が低下することも明らかにした。従ってFGF21は脂肪組織形成、脂質代謝に重要な役割を担うことが期待された。 以上我々が明らかにした脂肪組織形成の分子メカニズムは、基礎生物学のみならず、肥満症の成因解明や治療法への応用も期待できる
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Research Products
(5 results)