2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15081206
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀内 久徳 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (90291426)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾野 亘 京都大学, 医学研究科, 助教 (00359275)
|
Keywords | 脂肪細胞 / Ral / GLUT4 / 遺伝子トラップ法 / アディポネクチン / AMPK / exocyst複合体 / GAP |
Research Abstract |
脂肪細胞は開口放出によってアディポネクチンを放出し分泌し、形質膜上にGLUT4を発現させる。我々は、脂肪細胞や筋肉細胞でGLUT4トランスロケーション解析系を確立し、酸化ストレスであるH202が心筋細胞においてAMPKを介したGLUT4トランスロケーションに誘導することを見いだした。脂肪細胞において、低分子量GTP結合蛋白質RalがGLUT4トランスロケーションの制御に重要な働きをしていることが米国より報告された。我々は、Ralおよびそのエフェクター分子exocyst複合体が放出のカルシウム感受性を増強することにより血小板において開口放出を促進することを報告したが、その研究を進め、Raの抑制性制御因子Ral GAPを世界で初めて分子的に同定した。Ral GAPは、αとβサブユニットからなる複合体であり、活性を担うαは哺乳類では2つ存在し、我々はRal GAP-1(α1とβで構成)とRal GAP-2(α2とβで構成)と名付けた。脂肪細胞にはRal GAP-2が優位に発現していた。さて、我々はそれぞれのサブユニットを欠く3系統の遺伝子改変マウスを作成した。それらのマウスで、脂肪組織の形態やインスリン投与時の血糖値の反応等を解析し、Ral GAPの生体における意義を解明する。また、我々は3T3L-1細胞の脂肪細胞分化系において、レトロウィルスを用いたgene trap法により脂肪細胞分化必須因子としてTG-interacting factorを同定した。さらに、enkepahrinをはじめとして数個の脂肪細胞分化因子を同定した。アディポネクチンは、肥満時に血中濃度が低下し、また、低アディポネクチン血症は動脈硬化性疾患の危険因子であることが報告されている。我々は、虚血性心不全患者において、脂肪細胞より分泌されるアディポネクチンの血清濃度と死亡率が相関することを見いだした。
|