2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15081208
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木原 進士 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20332736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 正 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90252668)
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Keywords | 遺伝子 / 内科 / 循環器・高血圧 / 糖尿病 / プロテオーム |
Research Abstract |
本年度は多数例の臨床研究より、アディポネクチン血中濃度が内皮依存性血管弛緩反応と有意な正相関を有すること、低アディポネクチン血症が糖・脂質代謝異常や高血圧を含めた既知の動脈硬化危険因子と独立して冠動脈疾患の危険因子であることを明らかにし、さらに、アディポネクチン血中濃度が著明に低下する遺伝子変異であるアディポネクチンI164T変異が冠動脈疾患において対照に比し有意に高頻度であることを報告した。そして、これらのメカニズムとして、アディポネクチンがヒト血管内皮細胞に作用してAMPキナーゼ・Aktキナーゼ経路を介して内皮型NO合成酵素リン酸化を誘導する作用を有すること、ヒト単球由来マクロファージに作用してインターロイキン10産生を増加させマトリックス分解活性を抑制する作用を有することを明らかにした。また、アディポネクチン欠損マウスは圧負荷により著明な心肥大を発症することを報告した。従ってアディポネクチンは、動脈硬化性血管病において内皮機能障害から粥腫の破綻にまで作用を有し、高血圧において心肥大に関与する心血管リモデリング異常に対する防御因子であることが示された。以上の研究より、アディポネクチン血中濃度測定は肥満症の病態を総合的に評価する指標になると考えられ、この指標を用いた臨床研究を継続中である。来年度は脂肪細胞発現遺伝子を用いた動脈硬化と心血管リモデリング異常を中心とする病態発症のさらなる解明を行なう。
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Research Products
(6 results)