2006 Fiscal Year Annual Research Report
高次脳機能(学習と記憶)ならびに脳虚血の病態に対するグリア細胞の役割
Project/Area Number |
15082201
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
加藤 宏司 山形大学, 医学部, 教授 (30006746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 聡 山形大学, 医学部, 助教授 (80173384)
佐々木 寛 玉川大学, 学術研究所, 助教授 (70261691)
山崎 良彦 山形大学, 医学部, 助手 (10361247)
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Keywords | 介在ニューロン付随グリア細胞 / グリア-ニューロン相互作用 / オリゴデンドロサイト / 神経伝導速度 / ラット海馬 / 白板 / 脳型脂肪酸結合タンパク質 / アレキサンダー病モデルマウス |
Research Abstract |
(1)先に、ラット海馬CA1放線層にある介在ニューロン付随グリア細胞には、アストロサイトastrocyte(AC)とオリゴデンドロサイトoligodendrocyte(ODC)がほぼ同数あり、形態的および電気生理学的に区別できることを報告した。そして、介在ニューロンとACと間には直接的な相互作用があること、およびODCは特異な形態を持っていることを報告した。 (2)後者のODCの形態的・機能的性質をより明らかにするために、平成18年度は白質内にあり髄鞘形成を担うODCに注目して、構造と機能を詳細に検討した。実験はラット海馬を薄切して行い、白板albeusの中に存在するODCからホールセル記録をして行った。まず、免疫抗体によりOCDであることを確認し、バイオサイチンにより形態を調べた。さらに、海馬采に置いた刺激電極に対するOCDの反応を記録した。その結果は以下のようであった。a)ODCの細胞体から数多くの突起が出て、それらは多数に分枝し、長さ約100μmの範囲を軸索にほぼ平行にカバーする。b)髄鞘の長さ(絞輪間の距離)はおよそ40μmである。c)電気刺激に応答して数秒持続する内向き電流が見られ、これにはNMDAとnon-NMDA受容体を介する成分を含んでいる。さらに、d)この部を走行する軸索の伝導速度は1m/sec程度であり、セロトニン5-HTで伝導速度が遅くなることを明らかにした。 (3)上記の実験と並行して、ACに発現する脳型脂肪酸結合タンパク質(Brain type-fatty acid biding protein)のノックアウトマウス、およびアレキサンダー病モデルマウス(GFAP遺伝子変異マウス)のシナプスの長期増強および行動についての共同実験した。これらの結果は、それぞれEur.J.Neurosci.(Owada et al.,2006)とGlia(Tapaka et al.,2007)に発表した。
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Research Products
(6 results)