2003 Fiscal Year Annual Research Report
グリア・ニューロン相互作用による神経機能維持メカニズムとその加齢変化の解析
Project/Area Number |
15082205
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木山 博資 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00192021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 光代 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40122080)
濤川 一彦 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50312468)
瀬尾 寿美子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70311529)
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Keywords | シュワン細胞 / 運動ニューロン / 神経損傷 / 神経再生 / Regファミリー / マクロファージ / シュワン増殖 / 末梢神経 |
Research Abstract |
損傷末梢神経が再生するには、周囲のグリア細胞との分子レベルでのインターラクションが重要であると考えられている。我々は、末梢神経損傷時の損傷ニューロン・損傷シュワン細胞間の情報交換に働くと考えられる液性因子Regファミリーについて末梢神経損傷時における機能解析を行っている。Regファミリーは、膵β細胞に対する増殖因子となる分泌蛋白で、膵炎等の消化管の炎症時に誘導されることが知られている。また、神経系における機能としては、ファミリーメンバーの1つPAP/Reg2が、末梢神経損傷時に損傷ニューロンで誘導され、シュワン細胞の増殖因子として再生促進に働くことが証明されている。また、PAP/Reg2は運動ニューロンの生存因子として機能するとの報告もある。そこで、我々は舌下神経損傷モデルを用いて、Ratで同定済みのRegI、PAP、RegIII、PAPIIIの4種類の遺伝子発現変動を検討した。損傷運動ニューロンにおいては、これまでの報告通りPAPの発現誘導確認が確認されたが、その他のメンバーの発現は確認出来なかった。一方、損傷神経においてPAPIIIの著明な発現を見出した。PAPIIIの発現は神経損傷後、12時間以内という非常に早期にシュワン細胞で誘導される。また、PAPIIIはマクロファージに対する強い誘引活性を有することが明らかになった。以上の事から、PAPIIIが損傷シュワン細胞から分泌され損傷部位にマクロファージをリクルートするファクターとしての機能を持つことが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Maeda M, Kiyama H他: "Vesicular acetylcholine transporter can be a morphological marker for the reinnervation to muscle of regenerating motor axons"Neurosci Res. 48. 305-314 (2004)
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[Publications] Matsuzaki H, Kiyama H他: "Brain Derived Neurotrophic Factor Rescues Neuronal Death Induced by Methamphetamine"Biol Psychiat. 59. 52-60 (2004)
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[Publications] Suzuki Y, Kiyama H他: "Collapsin Response Mediator Protein-2 accelerates axon regeneration of nerve-injured motor neurons of rat"J Neurochem. 86. 1042-1050 (2003)
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[Publications] Nakagomi A, Kiyama H他: "Expression of the Activating transcription factor 3 prevents c-Jun N-terminal kinase-induced neuronal death by promoting hear shock protein 27 expression and Akt activation"J Neurosci. 23. 5187-5196 (2003)