2004 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞における化学伝達物質およびそのレセプターの制御機構の解明
Project/Area Number |
15082206
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高橋 正身 北里大学, 医学部, 教授 (10318826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高垣 洋太郎 北里大学, 医学部, 教授 (50281324)
東 貞宏 北里大学, 医学部, 助手 (80348507)
阿部 輝雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (50010103)
片岡 正和 信州大学, 工学部, 助教授 (90332676)
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Keywords | グリア細胞 / 化学伝達物質 / 神経伝達物質 / レセプター / 開口放出 / アストロサイト |
Research Abstract |
SNAREタンパク質を介した開口放出は、生理活性物質の放出や、細胞膜へのレセプターの組込などに重要な役割を果たしている。これらの機能の発現がグリア細胞でどの様に制御されているかを明らかにするため、生後2日のラット脳より調製し培養下においたアストログリア細胞を用いて解析を行った。イムノブロット解析によってSNAREタンパク質としてVAMP-2、-3、-4、SNAP-23、Syntaxin2、3、6、13、16などの発現が確認されたが、小胞性グルタミン酸トランスポーターは検出できなかった。神経のシナプスのアクティブゾーンに存在するタンパク質では、BassoonやPiccoloは確認去らなかったが、CAST抗体と反応するタンパク質の発現が確認できた。イオノマイシンを作用させると顕著なグルタミン酸遊離が認められたが、この遊離はBAPTA-AMによって抑制されなかった。一方、ヒト成長ホルモンを発現させると、細胞内に顆粒状構造に蓄積され、イオノマイシンやATP刺激で放出が引き起こされた。この放出はBAPTA-AMや破傷風毒素によって抑制されたことから、SNARE依存的な開口放出によると考えられた。グルタミン酸レセプターとしてはGluR1とGluR2の発現が確認できたが、修飾糖鎖の殆どは高マンノース型であり、大部分は細胞内膜系に留まっていると推察された。以上のことから培養したアストロ細胞には開口放出装置やレセプターの組込装置が存在するが、現在の培養条件化では未成熟な状態で留まっていると考えられた。
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