2005 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞における化学伝達物質およびそのレセプターの制御機構の解明
Project/Area Number |
15082206
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高橋 正身 北里大学, 医学部, 教授 (10318826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 誠 北里大学, 医学部, 助手 (30398581)
東 貞宏 北里大学, 医学部, 助手 (80348507)
阿部 輝雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (50010103)
片岡 正和 信州大学, 工学部, 助教授 (90332676)
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Keywords | グリア細胞 / 化学伝達物質 / 神経伝達物質 / 開口放出 / SNAREタンパク質 / アストロサイト / リン酸化 / キナーゼ |
Research Abstract |
SNAREタンパク質を介した開口放出は、生理活性物質の放出や、細胞膜へのレセプターの組込などに重要な役割を果たしている。昨年度我々は培養したラット脳のアストログリア細胞にヒト成長ホルモンを一過的に発現させると細胞内に顆粒状構造に蓄積され、イオノマイシンやATP刺激を加えるとCa^<2+>およびSNARE依存的な機構で開口放出されることを報告した。本年度はグリア細胞からの開口放出がタンパク質リン酸化によって制御されるかを明らかにするためPKCの作用を検討した。アストログリア細胞を1μMのphorbol-12-myristate-13-acetate(PMA)で15分間前処理をするとATP誘発性のヒト成長ホルモン放出が顕著に抑制された。この抑制はPKCの特異的阻害剤であるbisindolylmaleimide I(BIS,5μM)で解除されることからPKC依存的なリン酸化を介したものであると考えられた。培養したアストログリア細胞をPMAで処理した後イムノブロット解析を行うと、SNAP-23のバンドの移動度が部分的に遅くなり、この変化はBISを加えると見られなくなった。以上の結果からアストログリア細胞では神経細胞とは大きく異なり、PKCによって開口放出が抑制的に制御されており、その制御にSNAP-23のリン酸化が関与している可能性が考えられた。SNAP-23のリン酸化の役割を明らかにしていくため、ラット骨格筋のcDNAライブラリーからSNAP-23遺伝子をクローニングした。その結果、従来知られていなかった新しいスプライシングバリアントが存在する可能性を明らかにした。
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