2003 Fiscal Year Annual Research Report
アストロサイトの伝達物質応答による神経回路活動の制御
Project/Area Number |
15082207
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮川 博義 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (90166124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 佳久 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20080179)
森田 光洋 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (50297602)
井上 雅司 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (30339098)
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Keywords | アストロサイト / Ca応答 / 成長因子 / サイトカイン / Gene Chip / GFAP / ホールセル記録法 / シナプス応答 |
Research Abstract |
1)アストロサイトの動的機能のイメージングによる解析とその機能に関与する機能分子の解析について。 ラットの初代培養アストロサイトに成長因子およびサイトカインを作用させ、誘導される遺伝子群をDNAマイクロアレイ解析法によって約2万種の遺伝子発現の変化を検討した。現在は第二段階として、変化の見られた遺伝子についてPCR解析を行い、遺伝子発現の変化を確認している。 2)神経伝達物質に対するアストロサイトの応答性を人為的にコントロールできる実験系の開発について。 アストロサイト特異的な発現が知られている遺伝子の転写調節領域を用いて標的分子を発現させるモデル動物系作成の基盤技術を開発することが本年度の目標であった。このために、アストロサイトの標識蛋白として知られているGFAPのプロモーターの下流に緑色蛍光蛋白(GFP)を繋いだ遺伝子を作成し、アストロサイトのみにGFP蛋白を発現するモデル動物を作成中である。 3)モデル動物における神経活動の解析について。 本年度は準備段階として脳スライス標本内の単一細胞およびグリアーニューロン回路網の活動を観測することのできるイメージングシステムを構築する予定であった。当初は浜松ホトニクス製アクアコスモスを計測装置として導入する計画であったが、より感度と時間分解能の高い検出機器の開発を浜松ホトニクス社が進めたため、その完成を待って、最新機器(EM-CCDカメラ)を導入した。導入までの期間にシナプス入力によってアストロサイトに誘起される電流応答および電位応答の解析をホールセル記録法を用いて進め、イオンチャネル共役型グルタミン受容体の活性化に起因する応答とグルタミン酸トランスポーターの活性化に起因する応答を確認するとともに、未知の応答を発見した。現在、この未知の応答の解析を進めている。
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