2004 Fiscal Year Annual Research Report
グリアによる神経軸索上機能分子の発現および局在化調節機構の解明
Project/Area Number |
15082208
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
馬場 広子 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (40271499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 宜秀 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (50311832)
林 明子 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (90232090)
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Keywords | ミエリン / オリゴデンドロサイト / シュワン細胞 / ランビエ絞輪 / 電位依存性ナトリウムチャネル / スルファチド / 有髄神経 / 電位依存性カリウムチャネル |
Research Abstract |
グリアによる神経軸索上の機能分子の発現や特定部位への局在化の調節機構を明らかにする目的で、本年度は以下のことを明らかにした。 1)グリアによる軸索上機能タンパク質の局在化および発現調節機構の検討:昨年度に引き続き、グリアの糖脂質異常に伴うパラノーダルジャンクション(PJ)形成不全マウスの脊髄で変化しているタンパク質を解析した。結果、脱髄がないにもかかわらず、PJ形成不全マウス脊髄白質ではアストロサイトが著明に活性化していた。この活性化はPJ形成不全マウスの加齢に伴う軸索上チャネルの局在変花および神経症状の出現時期と一致していた。軸索変化に対する絞輪周囲アストロサイトの関与に関して現在論文作成中である。一方、末梢神経系ではPJ形成不全に伴うNa^+チャネルの分布やサブタイプ異常は生じない。中枢と末梢での違いを詳細に検討した結果、末梢では絞輪周囲を被うグリアの微絨毛がチャネル局在化に重要なことを明らかにし、現在論文投稿中である。 2)グリアによる軸索上機能タンパク質の発現調節機能の解析:グリアの異常に伴う神経細胞の遺伝子発現変化を明らかにする目的で、PJ形成不全マウスおよび野生型マウス脳をマイクロアレイ法によって解析した。結果、PJ形成不全で軸索機能分子の局在化異常を伴うマウスにおいて明らかに発現が上昇している遺伝子6個を同定した。現在これらシグナル伝達関連分子や転写因子の局在および機能を解析している。 3)軸索上機能タンパク質の局在化調節に関与する分子の検索:炎症性末梢神経障害患者血清中には神経組織に対する自己抗体が存在する。抗体による神経伝導ブロックが疑われる患者血清を用いて、末梢神経中の抗原を質量分析法によって解析した。結果、Na^+チャネルに結合して活性や局在を調節する可能性のある候補分子が同定された。現在この分子の神経軸索上での局在、チャネルや患者抗体との関連性に関して検討中である。
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Research Products
(2 results)