2006 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロン-グリア相互作用に関与する機能分子の探策
Project/Area Number |
15082209
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
池中 一裕 生理学研究所, 分子生理研究系, 教授 (00144527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 勝彦 生理学研究所, 分子生理研究系, 助教授 (30152523)
等 誠司 生理学研究所, 分子生理研究系, 助教授 (70300895)
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Keywords | アストロサイト / 短期記憶 / 長期記憶 / アレキサンダー病 / 凝集体形成 |
Research Abstract |
アレキサンダー病はアストロサイト特異的マーカーとして広く知られているGlial fibrillary acidic protein (GFAP)の点変位によって発症することが2001年に発表され、これが最初のアストロサイト特異的疾患の報告であった。我々は、アストロサイトの機能を類推するために、アストロサイト特異的疾患モデルとしてアレキサンダー病モデルマウスを樹立し、解析している。昨年度までにマウスGFAPプロモーターの下流で変異ヒトGFAPを発現させたトランスジェニックマウスを作出し、このマウスアストロサイトにはアレキサンダー病に特徴的なRosenthal fiberと呼ばれるエオジン好性の凝集体が生じるが、脳神経機能や行動にはほとんど影響を及ぼさないことを報告した。しかし、山形大学加藤グループとの共同研究により、海馬CA1領域においてLTPが誘導されやすいことが明らかとなった。 そこで本年度は海馬のLTP誘導能と密接な関係にあるBarns Maze、T mazeなどの行動解析を行った。T mazeにおいては短期記憶が試される。このテストにおいて海馬CA1でのLTP実験の結果を反映して、モデルマウスにおいて野生型より良好な結果を示した。すなわち、短期記憶が行われやすいのである。Barns MazeのProbe testは長期記憶が試される。有意差はつかなかったが、興味深いことにモデルマウスでは長期記憶は悪い傾向にあった。 また、変異ヒトGFAP遺伝子の発現量を上げるために、導入遺伝子のホモザイゴートの作製も行った。このマウスにおいてはRosenthal fiberがより多く生じていた。現在、脳機能解析および行動解析のための準備を進めている。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Olig2-positive progenitors in the embryonic spinal cord give rise to not only to motoneurons and oligodendrocytes, but alos to a subset of astrocytes and ependymal cells.2006
Author(s)
Masahira N, Takenayashi H, Ono k, Watanabe K, Ding L, Furusho M, Ogawa Y, Nabeshima Y, Alvarez-Buylla A, Shimizu K, Ikenaka K
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Journal Title
Dev Biol 293
Pages: 358-369
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