2008 Fiscal Year Annual Research Report
ライゲーションケミストリーの展開に基づく膜蛋白質合成法の開発
Project/Area Number |
15083204
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
相本 三郎 Osaka University, 蛋白質研究所, 教授 (80029967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 徹 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (70273711)
佐藤 毅 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (90403013)
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Keywords | 膜蛋白質 / 化学合成 / ペプチドチオエステル / 合成法 / 補助基 / 膜近傍部位 / EGF受容体 / 電位依存性プロトンチャネル |
Research Abstract |
ライゲーションケミストリーの開発を中心課題とし、膜蛋白質の合成法に関する総合的研究を行った。1. た。本合成ブロックは、N-Sアシル基転位反応とそれに引き続くジケトピペラジン形成反応を経て、反応溶液内で自発的に安定なペプチドチオエステルを生成し、N末端にシステイン残基を有するペプチドと反応し、長鎖ペプチドを与える。本反応の詳細な解析を行うとともに縮合反応の至適条件を確立した。2. 拡張型ライゲーション反応用の補助基として開発した4, 5-ジメトキシ-2-メルカプトベンジル基が、弱酸性条件下で、これが結合したペプチド結合をN-Sアシル基転位反応によりラセミ化を伴うことなくチオエステル結合へと変換することを見出した。変換反応を詳細に解析し、効率よくペプチドチオエステルを得る条件を確立した。3. 新規なペプチド精製法の開発に取り組んだ。その結果、精製用タグをペプチドのN-末端に導入することにより、逆相HPLCでの精製が困難であった膜蛋白質を精製することができるようになった。4. チロシンキナーゼの活性化メカニズムの解明を目的として、合成ペプチドを用いて、FGFR3ならびにNeuの膜貫通部位の構造ならびに膜近傍部位の膜との相互作用の解析を行った。その結果、FGFR3WTとFGFR3(G380R)では、膜貫通部位のヘリックスダイマーの接触面および膜近傍部位が大きく変化していることを明らかにした。5. 一連の一回膜貫通型ペプチド、二回膜貫通型蛋白質の合成を実施し、それらを用いて構造生物学的研究を行った。さらに、4回膜貫通型蛋白質である電位依存性プロトンチャネル(VSOP/Hv)のイオンチャネル機能発現部位であるVSOP(78-222)の化学合成に取り組み、チオエステル法を用いてその合成に成功した。
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Research Products
(19 results)