2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15084201
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松村 良之 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80091502)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 一郎 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (00233510)
吉田 克己 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20013021)
|
Keywords | 法意識 / 法態度 / 法知識 / 法関心 / 権利 / 正義 / 紛争経験 / 性格特性 |
Research Abstract |
今年度は第1に、態度と行動についての社会心理学の研究(フィシュバインのモデル、エイジャンの計画行動の理論)に依拠しつつ、法意識(法と法システムに対する態度)と法行動、紛争処理行動の関係についての理論モデルを検討した。第2に、法意識そのものではないが法意識と関連があると考えられる性格特性、政治的態度について、社会心理学および心理測定法の文献によりつつ、理論的検討にとどまらず、尺度としての実際的検討も行った。取り上げた尺度は、心理的負債感尺度、自尊感情尺度、権威主義、ドグマティズム、共有経験尺度、共有経験不全尺度などである。そして、A01班の他のグループ(香川大斑、活水女子大班)と共同で、学生の授業の機会を利用して、上記性格特性尺度、法的紛争処理についての仮想的事例質問、権利イメージ、紛争イメージなどについての調査票を配布、回収して分析という作業を、逐次的に6回行った。それによって、性格特性尺度の妥当性、信頼性自体をチェックし、また、法関連尺度との関係をチェックすることにより、性格特性尺度の改良と精選をはかり、本調査に取り入れるべき設問について検討した。第3に、A01班の他のグループと共同で、紛争経験のある人々を便宜的なサンプルとして彼らの紛争経験について、自由面接法により質的調査を行った。それによって、一般人がイメージする、法、紛争、権利、正義などの構造を推測し、本調査の質問票作成に資することとなる。第4に、本特定領域全体の企画として、一般人サンプルを対象とする予備調査(中央調査社に委託)に参加した。そこでは、A01班との関係では、紛争経験、法知識、法関心、社会関心、社会参加、仮想的紛争事例への態度などが測定されている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 松村良之: "法社会学は何をしてきたか--川島武宜の法意識研究を中心として"Series Law in Action<1>法と社会へのアプローチ(日本評論社)(和田仁孝ほか〔編〕). (発表予定). (2004)
-
[Publications] 吉田克己: "ブックレビュー・河合隼雄=加藤雅信編『人間の心と法』--印象論の世界から実証的意識論へ"法律時報. 76巻3号. 93-96 (2003)
-
[Publications] 尾崎一郎: "マンション建築紛争と「コミュニティ」"地方自治職員研修. 36巻11号. 29-31 (2003)