2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15084205
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
南方 暁 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70125805)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上石 圭一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (80313485)
|
Keywords | 非主題化 / 紛争回避 / 共同体的規制 / 人間関係 / 法律家へのアクセス / 法的リテラシー / 法と情報 / 主観的要素 |
Research Abstract |
1.本年度は、昨年度より承継している全国調査のデータの分析作業を進めた。紛争における人々の行動様式を分析する場合、どのような要因が主として恕響を与えているのかを検討した。これらの作業を、村山班や濱野班と共同して行った。 2.なお、上石は、2006年7月に行われた、南アフリカ共和国ダーバンで行われた第12回国際社会学会("The Quality of Social Existence in a Globalising World")に参加した。 3.法行動(非主題化を含む)の契機となる要因については、個人的要因、人間関係的要因、社会あるいは制度的要因があると推測されるが、分析作業を通して要因が非主題化に限っては、相当複雑で、データの洗い直しを行う必要があることが確認された。特に、法の主題化については、様々な要因を選び出すことがそれほど困難ではないが、法の非主題化となると、判断や行動の抑制要因をデータから読みとり抽出しなくてはならない。データには直接それを示唆するものはなく、データ相互の掛け合わせなどによって、要因を見る以外方法がない。非主題化の要因としては、問題の性質と当事者の人間関係、問題の性質と紛争コスト、問題の性質と当事者の属性などに相互の関係があるとの結果が出たが、他の要因との関係を明確にしない限り、断定的に非主題化の要因として位置づけるわけには行かない。こうしたものに加えて、地域的要因かあることを示唆するデータもあるが、これも、地域の人口、法曹人口などとの相互関係を明確にしないと確定的な結論は出せない。次年度の課題となる。
|