2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15086205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牛田 多加志 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50323522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 国平 物質・材料研究機構, 生体材料研究センター・主幹研究員 (50357505)
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Keywords | 培養軟骨 / 機械的特性評価 / 動的粘弾性 / 二相理論 / 力学解析 |
Research Abstract |
関節軟骨は歩行などの運動により動的な負荷を受ける環境にある.そのため再生軟骨の臨床応用には機械的特性の評価が必要不可欠である.また関節軟骨として適切な機械的特性を有する培養組織の作製には,力学モデルによる解析,検討が重要である.そこで本年度はアガロースゲル培養モデルを用いて軟骨細胞を培養し,培養体の機械的特性の経時的変化を明らかにすることを目的とし,さらに二相理論に基づく力学モデルを初めて培養組織に適用し材料特性の解析手法としての可能性を検討した.軟骨細胞は生後3-6週の仔ウシの肩関節より軟骨組織片を採取し,コラゲナーゼ溶液により細胞を抽出した.抽出した軟骨細胞の懸濁液と低融点アガロース溶液を混合し4℃に静置して軟骨細胞・アガロース複合ゲルを作製した.複合ゲルは37℃,5%CO2環境下で培養を行った.次に培養期間に応じて圧縮方向の応力緩和試験,動的粘弾性試験を行い,平衡弾性率,動的弾性率,損失正接を計測した.また力学モデルは拡張型二相理論に基づくBiphasic-CLE-QLVモデルを適用し,生体軟骨組織,培養組織の解析を行った.軟骨細胞・アガロース培養体の平衡弾性率,動的弾性率は培養の進行とともに向上した.これに対し損失正接は培養とともに低下することが明らかになった.さらに力学モデルによる解析では生体軟骨組織,培養組織ともにBiphasic-CLE-QLVモデルにより動的粘弾性挙動が精度良く表現できた.これより培養組織においても二相理論に基づく力学モデルが材料特性の解析手法として有効であることが示された.
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