2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体内でのマイクロ・ナノ構造制御による運動系器官の再建
Project/Area Number |
15086206
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70108223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗田 大 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50190864)
伊藤 聰一郎 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 助教授 (10242190)
今井 庸二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 名誉教授 (50013975)
堀江 三喜男 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (00126327)
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Keywords | 生体力学 / 生体材料 / 力学的刺激 / 組織工学 / 運動系器官 / マイクロ構造 |
Research Abstract |
生体内で運動系器官を再建するために,マイクロ・ナノ構造を制御し適切な力学的環境を実現して組織を誘導する方法の開発を目的として研究を行った. 1.力学的環境制御下における細胞・組織の分化成熟とリモデリング (1)遺伝子改変マウスを利用して骨への荷重実験を行った結果,細胞外マトリックスの一成分であるペリオスチンを欠く動物では,力学刺激にともなう骨形成が抑制されることを示した.このことにより力学刺激の認識機構において,ペリオスチンが関与していることが明らかとなった. (2)ラット筋膜の組織培養系を利用した実験により,線維組織への伸張刺激の負荷様式の変化にともないコラーゲン線維の構築が影響を受け,急激な伸張では線維のクリンプが失われるが,徐々の伸張ではクリンプが保たれることを示した.これにより細胞外のコラーゲン線維の構築変化が力学刺激により誘導されることが分かった. 2.力学的環境の制御により組織再生を促すグラフトの開発 (1)経皮端子/人工歯根への応用を目的として,コラーゲン線維のアンカリングを可能にするマイクロ構造を持つ試験片を作製し,ラットへの埋植実験を行った.その結果,適切なサイズを有する構造であればコラーゲン線維のアンカリングが実現すること,また皮膚を貫通する埋植においても付着強度の増大が実現されることが分かった. (2)生体吸収性材料と細胞接着成分を組み合わせた末梢神経再建再生グラフトについて,ラット坐骨神経の長さ13mmの神経再生実験を行った結果,開発したグラフトによる治療が有効であることを統計的に示すことが出来た. (3)脱細胞グラフトを利用した細口径血管の再生医療について,ラットを用いた同種血管移植実験を行なった.薬剤投与によるマイクロレベルでの血管内力学的環境制御により閉塞の回避が可能となり,術後3週までの血管の開存を確認することが出来た.
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