2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体内でのマイクロ・ナノ構造制御による運動系器官の再建
Project/Area Number |
15086206
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70108223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗田 大 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50190864)
伊藤 聰一郎 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 助教授 (10242190)
今井 庸二 東京医科歯科大学, 名誉教授 (50013975)
堀江 三喜男 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (00126327)
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Keywords | 生体力学 / 生体材料 / 力学的刺激 / 組織工学 / 運動系器官 / マイクロ構造 |
Research Abstract |
1.経皮端子/人工歯根の軟組織への生物学的固定 経皮端子/人工歯根への応用を目的として,生体側のコラーゲン線維のアンカリングが自己組織化的に生じるマイクロ構造を持つ試験片を作製した.ラット背部皮膚に,皮膚を貫通するように試験片を埋植する実験を行ったところ,アンカリングのための構造を持たない試験片では全試料が脱落したのに対し,アンカリングのための構造を有する試験片では有意に脱落が少なかった.また組織学的にも,コラーゲン線維が人工材料にアンカリングしていることが証明できた. 2.人工靭帯の骨組織への生物学的固定 疎に繊維が配置しているポリエステル不織布を用いて,繊維間に骨の再生を促進することにより不織布試験片と骨組織との生物学的固定を実現することを目指した.ラット大腿骨へ試験片を埋め込み,接合強度の測定と組織観察を行ったところ,キチンを塗布された不織布試験片について,繊維間における顕著な骨組織形成の促進と接合強度の倍増を確認することができた。 3.力学的適合性を有するグラフトを利用した細口径血管の再生 細口径血管の再生においては,グラフトが生体組織と同等の力学的特性を有することが重要であるので,生体由来組織を脱細胞処理したグラフトで血管再生実験を行った.ラット総頸動脈について,同種由来脱細胞処理血管グラフトの移植実験を実施したところ,グラフトの力学特性は健常血管と同等であるとと,そして移植されたグラフトは開存し,術後4週までにグラフト内腔表面が内皮化されることが分かった.このことにより,力学的適合性を有するグラフトを利用すれば,細口径血管が再生できるようになる可能性が示された. 4.末梢神経再生グラフト 生体吸収性材料と細胞接着成分を組み合わせた末梢神経再建再生グラフトについて,組織再生のための空間を確保できる強度を有するようにしてやれば神経再生に有効であることを示すごとが出来た.
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