2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨のマイクロ・ナノ構造とマイクロサーキュレーションの統合解析とモデリング
Project/Area Number |
15086210
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 正夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40163571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健志 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (30249560)
東藤 正浩 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10314402)
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Keywords | バイオメカニクス / 骨 / マイクロストラクチャ |
Research Abstract |
皮質骨のババース管,フォルクマン管がなす脈管路の構造は,骨組織内の血管ネットワーク構造と直接に関連し,微小循環や骨形成とその以上を考える上で重要である.本年度はこの皮質骨内の脈管路微細構造に着目して次の項目について研究した. 1.廃用性適応による皮質骨構造変化:片側後脚に座骨神経切断術を施した成長期実験用小動物(ラット)を一定期間飼育後,実験側ならびに対照側の脛腓骨の脛骨骨幹部より採取した骨試料に対して,放射光X線マイクロCT解析を実施した.これに基づき骨密度,骨体積,骨膜周長,骨内空孔密度,脈管路分岐点密度などの巨視的ならびに微視的構造形態指標を評価した.骨体積および骨膜周長は成長とともに実験側,対照側ともに増加するが,実験側でその程度は小さいこと,脈管路体積分率や脈管路径などは実験側で小さなことなどが明らかとなった 2.力学負荷環境と骨構造変化:汎用X線マイクロCT撮影に基づき,実験用小動物脛腓骨全体のボクセルFEMモデルを作成し,骨内部における負荷状態を解析するとともに,前項の微視的構造形態指標を骨膜・骨内膜側ならびに周方向部位ごとに解析することで,力学負荷環境と構造変化の関係を調べた.廃用による脈管路構造の希薄化は骨膜側,特に前方部において顕著であり,これの部分は構造変化観察部位で圧縮ひずみが支配的であるところであり,座骨神経切断による力学負荷低減と密接に関わる変化であることが明らかとなった.
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Research Products
(5 results)