2004 Fiscal Year Annual Research Report
再生肝細胞コロニーに形成された毛細胆管構造のマイクロ・ナノバイオメカニクス
Project/Area Number |
15086214
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 満里子 慶應義塾大学, 名誉教授 (00051368)
工藤 奨 芝浦工業大学, 工学部, 講師 (70306926)
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Keywords | 肝細胞 / コロニー / 毛細胆管 / バイオメカニクス / 細胞間相互作用 / 収縮 / バイオ人工肝臓 / 再生医療 |
Research Abstract |
増殖と分化に富む小型肝細胞を肝臓から分離して培養した所、コロニー形成して毛細胆管が形成され、その毛細胆管が一定な周期で収縮し胆汁流動が生じている事が明らかになった。このような胆管の収縮は、小型肝細胞同士のコミュニケーションの結果、肝細胞の収縮がコロニー全体で同期している事実が見出された。多数の肝細胞が同期して、まとまった収縮機構を生む出すことを立証するために、タイムラプス顕微鏡で得られた画像における肝細胞の収縮の同期性を画像上で、相関をとり、同期性を定量化して立証した。このような同期して収縮する機構は、一つのコロニー内で、数個の領域に分かれて、夫々の領域内で極めて明確に同期していることが分かった。本研究では、培養小型肝細胞のコロニーによって発生された毛細胆管構造の微小運動による収縮を生み出す肝細胞収縮の同期機構に関して、マイクロナノバイオメカニクスの観点から明らかにする事を目的とする。収縮に司るアクチンのダイナミカルな動作状態、細胞間コミュニケーションを司るギャップジャンクションやジャンクションに出現する蛋白の検出から、細胞間相互作用と構造形成との関係を明らかにした。その結果、肝細胞の収縮の空間的な同期を相関を用いて評価し、極めて巧みな胆汁輸送を行っていることが明らかになり、さらにin vitroの系で、胆汁輸送を行う毛細胆管のネットワークが形成されていること自体が、肝臓再生の実現に一歩近づいたと言える。
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Research Products
(7 results)