2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15087101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 正 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50124219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 剛 東京農工大学, 工学部, 助手 (20345333)
川田 勇三 茨城大学, 理学部, 教授 (10152969)
松下 未知雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80295477)
村田 滋 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40192447)
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Keywords | スピン分極 / 分子ワイヤー / 金ナノ粒子 / 分子ワイヤーネットワーク / 走磁性細菌 / マグネタイト微結晶 / NOケージ化合物 |
Research Abstract |
I.金ナノ粒子を分子ワイヤーで連結し、ネットワーク化した構造体における伝導電子と局在スピンの相互作用を解明し、ナノスピントロニクスの基礎を確立する研究(菅原、松下、川田) 1)上記金ナノ粒子ネットワークの作製法を確立し、特にオリゴチオフェンジチオール型ワイヤーを用いた場合、40K以下で金ナノ粒子間のトンネル電流が支配的となることを見出した。 2)π共役型分子ワイヤーの一層の伸長をはかり、鎖長7nmに達する21量体オリゴチオフェン型ワイヤーの合成に成功した。 3)これまで困難であった、粒径2nm以下の金ナノ粒子上での配位子交換手法を確立した。これにより、室温近傍で単一電子トランジスター動作が可能なナノ粒子を、分子ワイヤーで配線することが可能となった。 II.走磁性細菌を配列させた後に生体を除去することで、磁性ナノドットアレーを作製し、その磁気的挙動を解明する研究(田中) 1)走磁性細菌をガラス基板上で磁気配列させ、磁気固定した後、強アルカリ溶液で処理することにより、フェリ磁性体として挙動する最小サイズ(30〜100nm)のマグネタイト微結晶をチェーン状に精密に配列させることに成功した。 2)上記チェーン状ナノフェリ磁性体を磁気力顕微鏡で観察した結果、チェーン構造の両端に逆向きの磁気シグナルが現れる事を見出した。さらに、真空下において1粒子レベルの磁気シグナルの検出にも成功し、磁性細菌由来のナノ粒子が、ヘキサゴナル構造の上下端部を磁極面に持っ特異な磁気構造を有する可能性を示した。 III.生体情報伝達に与えるNOの反応性解明のための新規ケージ化合物の開発(村田) 光分解の量子収率向上を目的に、光感応性置換基を導入した新規N-ニトロソアニリン誘導体を合成し、極低温マトリックス中、および室温溶液中における光化学的なNOの発生と、キノイド型ラジカルを反応中間体とする分解機構を明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 中崎城太郎, 菅原正ほか5名: "Design of Spin-Polarized Molecular Wire as a Prototypal Unimolecular Quantum Spin Device"Internet Electronic Journal of Molecular Design. 2. 112-127 (2003)
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[Publications] 中崎城太郎, 菅原正ほか5名: "Design and preparation of pyrrole-based spin-polarized donors"Journal of Materials Chemistry. 13. 1011-1022 (2003)
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[Publications] 原田弦太, 菅原正ほか3名: "A novel TTF-based donor carrying four nitronyl nitroxides"Tetrahedron Letters. 44. 4415-4418 (2003)
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[Publications] 高倉克人, 豊田太郎, 菅原正: "A Novel System of Self-Reproducing of Giant Vesicles"Journal of the American Chemical Society. 125. 8134-8140 (2003)
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[Publications] 高須勲, 泉岡明, 菅原正: "Observation of Quantum Paraelectricity in an Intermolecular Ionic Hydrogen-Bonded Crystal of a Squaric Acid Derivative"The Journal of Physical Chemistry. A108(印刷中). (2004)
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[Publications] 菅原正: "有機π配位子による金ナノ粒子の機能化とネットワーク化"有機合成化学協会誌. 62(印刷中). (2004)
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[Publications] 菅原正: "「分子ナノテクノロジー」金ナノ粒子ネットワークで回路をつくる"丸善出版(印刷中). (2004)