2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15087101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 正 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50124219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 未知雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80295477)
川田 勇三 茨城大学, 理学部, 教授 (10152969)
田中 剛 東京農工大学, 工学部, 講師 (20345333)
村田 滋 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40192447)
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Keywords | スピン分極 / 分子ワイヤー / 金ナノ粒子 / 分子ワイヤーネットワーク / 走磁性細菌 / マグネタイト微結晶 / NOケージ化合物 / 負性磁気抵抗 |
Research Abstract |
I.金ナノ粒子を分子ワイヤーで連結したネットワーク状構造体における伝導電子と局在スピンの相互作用を解明し、ナノスピントロニクスの基礎を確立する研究(菅原、松下、川田) 1)スピン分極型分子ワイヤーと金ナノ粒子からなるネットワークに関して、前年度に見出された負性磁気抵抗現象が、ナノ粒子間の単電子トンネリングの位相がワイヤー分子上の局在スピンで揺乱される、これまでに無い機構に基づくことを明らかにした。 2)佃(分子研)より提供された極小径・超低分散の金ナノ粒子試料に関し、小島(東大)との共同研究でメスバウアースペクトルの測定を行い、粒径に依存した表面電子構造を明らかにした。 II.伝導電子と局在スピンの共存系を構築する研究(川田、菅原、松下) 1)ドナーラジカルであるETBN及びESBNを、マイクロ電極上で直接電解結晶化・抵抗測定することで、約30Kの低温までの抵抗測定に成功した。 2)導電性と磁性を併せ持つシクロファン型ドナーのイオンラジカル塩において、電荷分布が大電流の印加により均等化し、抵抗が大幅に減少することを、電流印加状態におけるX線結晶構造解析という新たな手法で明らかにした。 III.走磁性細菌がつくるナノ磁石の磁気的挙動を解明する研究(田中) 磁性細菌をから抽出されたナノマグネタイトの導電特性の検討を行い、100Kで5%の負性磁気抵抗を見出した。 IV.生体機能解明のための新規NOケージ化合物の開発と光分解の高効率化に関する研究(村田) 光分解量子収率の高い新規NOケージ化合物であるN-ニトロソアニリンの光分解に関して、項間交差を促進する置換基、および電子移動を誘起する電子受容性置換基の導入により、NOの発生効率が向上することを明らかにした。
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Research Products
(7 results)