2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15087103
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿波賀 邦夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10202772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 渉 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (50292719)
岡本 博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (40201991)
岩坂 正和 千葉大学, 工学部, 助教授 (90243922)
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Keywords | 双安定性 / 分子磁性体 / ナノ磁石 / 光誘起相転移 |
Research Abstract |
分子磁性体とナノ磁性研究の橋渡しをする目的で、以下の研究を遂行した。 単分子磁石研究においては、Mn12の磁気特性や量子効果の起源を探るため、Mn11Crを合成し、磁気特性を調べた。構造解析やX線吸収スペクトルによってCrサイトを特定し、磁性との相関を調べたところ、Mn12と非常に近い磁気構造を持つことが分かった。Mn12/Mn11Cr混晶を用いることにより、両者の磁化の個別制御や、トンネル効果にバイアスされた量子磁化トンネリングを見出した。 分子磁性体が溶媒中で合成されるという利点を生かし、ポリスチレン・ビーズの表面に、均一に球状のナノ球殻分子磁性体を沈殿させ、さらにそれを〓焼させてナノ球殻磁石の合成した。硝酸コバルトを原料にして、加水分解反応によって塩基性炭酸コバルトをポリスチレン(直径500nm)表面に沈殿させた。電子顕微鏡で確認したところ、厚みが40nm程度でほぼ均一にコーティングが成されていた。これを、空気中あるいは水素気流下で〓焼することによって、それぞれナノ球殻形状の酸化コバルト(Co_3O_4)とfcc金属コバルトをつくることができた。バルクのCo_3O_4は反強磁性体として知られているが、得られたナノ形状磁性体の場合、転移温度以下で格子欠陥上のスピンに起因すると考えられる、大きな自発磁化が観測された。
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Research Products
(6 results)