2004 Fiscal Year Annual Research Report
天然抗酸化剤による生体老化防御のスピンダイナミクス
Project/Area Number |
15087104
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
向井 和男 愛媛大学, 理学部, 教授 (70036193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 伸一 愛媛大学, 理学部, 助教授 (30164403)
小原 敬士 愛媛大学, 理学部, 助手 (10284390)
田嶋 邦彦 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50163457)
美藤 正樹 九州工業大学, 工学部, 助教授 (60315108)
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Keywords | 天然抗酸化剤 / カテキン類 / フラボン類 / ユビキノール / 一重項酸素 / フリーラジカル / 活性酸素 / 抗酸化活性 |
Research Abstract |
活性酸素・フリーラジカルがヒトの老化やそれに伴う疾病(心臓病・炎症・ガンなど)に深く関与していることが明らかにされ注目を集めている。活性酸素種による過酸化脂質の生成や、蛋白の変性、DNAの連鎖切断などを防ぐ天然の抗酸化剤として、ビタミンEやビタミンC、ユビキノール、カテキン類、フラボン類が良く知られている。しかしながら、カテキンやフラボン類などのポリフェノール類はその構造が複雑であるため、抗酸化活性の速度論的評価や反応機構に関する研究例は少なく、不明な点が多い。 そこで本年度は、カテキン類、フラボン類、コーヒー酸類などの数多くのポリフェノール類について、その(i)ビタミンEラジカル(Toc・)の還元・再生反応速度(k_R)を、ストップトフロー分光光度計を用いて、均一溶液系と一部はミセル溶液系(pH変化)で測定し、抗酸化活性の速度論的評価を行なった。得られた値をビタミンCやユビキノールと比較・検討した結果、分子内に多くOH置換基を有するカテキンやフラボン類が高いビタミンE再生能力を持つことが明らかとなった。また、(ii)カテキン類やフラボン類が一重項酸素(^1O_2)の高い消去活性(k_Q)を示す事を明らかにした。以上の結果から、これ等のポリフェノールが生体や植物の劣化について高い防御能力を有することが示された。次に、ポリフェノール類の酸化還元電位(E_p)の測定、HOMOのエネルギーレベルの分子軌道計算、更に、重水素置換したポリフェノールを用いて、抗酸化反応に対するトンネル効果の寄与に関する実験および理論的検討を行なった。以上の結果から、上記の抗酸化反応の構造活性相関と、反応機構を明らかにする事が出来た。 また、上記の研究テーマと並行して、分子性磁気伝導体の開発に関する研究を行なった。即ち、フェルダジルラジカルカチオン類とTCNQ、Ni(dmit)_2などの電子受容体からなる数多くの分子性錯体を合成し、この中から新しく数種の分子性磁気半導体を見出すことに成功した。
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Research Products
(7 results)