2006 Fiscal Year Annual Research Report
フォトクロミックスピンカップラーの複合化による多機能スピンシステムの創製
Project/Area Number |
15087204
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 建児 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (80262145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 正浩 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (30001986)
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Keywords | フォトクロミズム / 分子エレクトロニクス / 金微粒子 / 電気伝導 |
Research Abstract |
ジアリールエテンと金微粒子からなるネットワークにおける光反応性および電気伝導性の光スイッチングについて検討した。アルキル基のスペーサーを持つジアリールエテンで被覆された金微粒子でのフォトクロミック反応は以前に確かめていたが、本研究では、余分な抵抗をなくすためにπ共役部分に直接チオール基の付いた化合物を合成した。 片方だけにチオール基が付いた分子で被覆された金微粒子では、アルキル基のスペーサーがある分子に比べて反応速度の低下は認められたが、フォトクロミック反応は進行した。また、その際に閉環体の吸収極大波長は、フリーなジアリールエテンに比べて30nm程度の長波長化が認められた。次に、両方にチオール基が付いた分子で金微粒子ネットワークを形成させ、櫛型電極の上において電導性の光スイッチングを試みた。その結果、電導性は紫外光の照射とともに増加し、可視光の照射で減少した。可視光での電導性の現象は非常に遅いという問題があることも分かった。この際のスイッチングは5倍程度であった。 可視光での開環反応の効率を上げるために、開環反応量子収率が以前のものと比べて20倍大きい分子を選び、同様の実験を行った。その結果、完全に可逆なスイッチング挙動が確認された。また25倍のスイッチングが確認された。これは、磁性交換相互作用のスイッチングに中心的な役割を果たしたπ共役系の組み換えが電気伝導にも有効に働いていることを示しており、情報伝達のスイッチングとして一般性を有していることを意味する。
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Research Products
(7 results)