2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体計測ESRIを用いた疾患モデル動物でのフリーラジカル動態解析
Project/Area Number |
15087206
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内海 英雄 九州大学, 大学院薬学研究院, 教授 (20101694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 啓蔵 崇城大学, 薬学部, 教授 (70175438)
輿石 一郎 日本薬科大学, 主任教授 (20170235)
市川 和洋 九州大学, 大学院薬学研究院, 助教授 (10271115)
山田 健一 九州大学, 大学院薬学研究院, 助教授 (60346806)
安川 圭司 九州大学, 大学院薬学研究院, 助手 (80372738)
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Keywords | 活性酸素 / フリーラジカル / レドックス / 電子スピン共鳴 / 生活習慣病 / 潰瘍性大腸炎 |
Research Abstract |
生活習慣病等、多くの疾患の成因・進展に活性酸素やフリーラジカルが関与することが明らかにされつつある。酸化ストレス性疾患を分子レベルで解明し、その治療薬を開発する上で、フリーラジカル動態の無侵襲解析は不可欠の要素である。 本研究ではこれまでの生体計測ESR/ニトロキシルプローブ法による研究成果を発展させ、酸化ストレス性疾患におけるフリーラジカル動態を血管内と組織内、あるいは細胞内と細胞外を区別し、経時的に無侵襲解析することで、疾患の成因・進展とフリーラジカルの関わりを明確にし、その治療薬開発に新たな観点を与えることを目的とした。 我々は、異なる核種(^<14>N,^<15>N)のニトロキシルプローブを用いて、フリーラジカル画像化装置OMRI(オーバーハウザーMRI,PEDRI)で二種プローブの分布を同時に分離して画像化する手法を開発し、血管内や組織への分布特性の異なるニトロキシルラジカルの窒素核^<15>N置換体を5種類以上合成した。また、ニトロキシルプローブの酸化・還元反応や細胞内・外でのラジカル消失の同時解析、すなわちナノ空間レドックス動態の画像解析を可能にした。さらに、本法をデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)惹起大腸炎モデルに応用し、異なる生体内分布特性を有するニトロキシルプローブを用いて、DSS惹起大腸炎の発症段階と増悪段階とで、生成する活性酸素の種類や部位などの生成機序が異なることを明らかにした。 我々は、^<15>N置換体のメチル基水素を重水素に置換したスピンプローブを5種類以上合成した。そこで、さらにESRシグナルの高感度化を図るためにESRスペクトル線幅の狭小化を目的としたニトロキシルラジカルの設計を行い、その試作を行った。 インドメタシン惹起胃潰瘍モデルや糖尿病モデルに生体計測ESR/ニトロキシルプローブ法を応用し、胃の上皮細胞内あるいは血管内における活性酸素生成を明らかにした。
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Research Products
(7 results)