2004 Fiscal Year Annual Research Report
サブミクロン超格子強磁性量子細線・タイル及び超高スピン巨大単分子のスピニクス
Project/Area Number |
15087209
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
工位 武治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10117955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 大輔 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40260799)
佐藤 和信 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90264796)
豊田 和男 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60347482)
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Keywords | 磁性 / スピンエレクトロニクス / 原子分子処理 / 量子細線 / 微小共振器 / 量子コンピューティング / 量子情報処理 |
Research Abstract |
本年度も引き続き、(A-1)ミクロンからサブミクロンオーダーで電子線リソグラフィ技術によって超微細加工を施したパーマロイ強磁性薄膜量子細線(1次元配列系)、(A-2)セミマクロスケールで群論的な縮重機能をもつ量子タイル(2次元配列人工格子型薄膜パーマロイ強磁性体集合系)をモデル系として採用し、スビン集合系の数・幾何学的な形状と配列・群論的な対称性を制御した磁気双極子スピン波の伝播特性を明らかにした。Y1G系は、マイクロ波外部輻射場に対する顕著な非線形現象を示す予備的な実験を実施した。課題(B)において、拡張π系に由来するエネルギーシフト(多数の近接励起状態の出現)とスビン-軌道相互作用を制御した分子性有機超常磁性体の同定を行うために、従来までの半古典的なアプローチを超えた微細構造テンソルの量子化学的な理論計算プログラムの開発を行い、実験結果と比較した。分子性開殻系の大きなSの直接同定やトンネル現象の検出は、我々が開発したFTパルスESRをベースとする電子スピンニューテーション磁気分光法などの時間領域磁気分光法によった。 本年度から、開殻系単分子電子スピン磁気共鳴STMおよび分光学の確立のために、STM部分および小型静磁場部分、マイクロ波・ラジオ波部分の装置開発設計を別々に行った。理論的な解明については、AFM測定の結果と比較して、理論の取り掛かりを本格的に探索した。したがって、実験的には、開殻系分子の単分子AFMおよび超格子強磁性薄膜系のAFM測定を室温にて実施した。また、電子磁気共鳴STMの新規な応用として、分子性量子コンピューティング・量子情報処理を可能とする磁気共鳴分子デバイスの設計と予備的な実験を行い、スピン系の量子位相制御問題の足がかりを見出した。
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Research Products
(16 results)