Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 義夫 工学院大学, 情報学部, 教授 (60011673)
山本 博資 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30136212)
室田 一雄 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50134466)
今井 浩 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80183010)
杉原 正顯 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80154483)
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Research Abstract |
昨年度までにロバストな計算法を設計するための分野横断的共通原理を抽出してきたが,本年度は,計算の不安定性に直面したとき,どの原理を利用して解決をめざすべきかに役立つマニュアル作りと,各原理に属すロバスト計算事例を集める作業を行った.新しく開発できたロバスト計算技術には,構造不変性の利用原理を使ったものとして,(1)非線形波動方程式の物理法則を保存する差分化による計算の安定化,(2)流れの中の最短経路を求めるための粒子法の原因・結果の関係解析に基づく改良,(3)行列成分の符号情報に着目したクロネッカー標準形の計算法があり,対象世界の拡大原理を使ったものとして,(4)ゲーム論的確率論に基づく確率分布導出法があり,不変性のそデル化の原理を使ったものとして,(5)パラメータ不確定性を取り込んだロバスト制御方法,(6)パラメータ不確定性を取り込んだ混合整数計画法などがある.さらに,今年度の後半には,幾何的退化から生じる計算の不安定性を除く従来からの記号摂動技術が副作用をもたらすために使えない場面で有効な新しい摂動法の可能性を発見した.これは,本研究の当初計画にはなかった新しいものであるが,これを本研究に加えることによって研究成果がより充実すると判断し,この発見の解析に2ヶ月を新たに使うよう研究計画を一部変更して,研究費の一部繰り越し手続きをとった.その結果,この発見も対象世界の拡大原理に属すロバスト計算事例の一つとして加えることができ,代わりに.研究成果の最終的なまとめを翌年度に持ち越すことにした.その結果,平成20年度5月31日で研究を終えることができた.
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